10月の初旬にお風呂で貧血した状態になって、その時から頭が締められるような感じになったそうです。歩けなくて震えもあり、めまいのような感じもあったそうです。パニック障害のような状態になったのだと思いますが、急激なことだったので入院をして様子を見たけども、何の問題もなかったという方です。
その後、退院しても胸がムカムカする。頭の痛みというのが続いたそうです。まず最初に見た時に左の頬骨あたりが腫れていたので、左側なのではないかと伝えると、普段は右側に痛みを感じているということでしたが、症状を起こした時は、やはり左側に痛みを感じたそうです。それが残っているので、左側の頬骨が腫れているのだと思います。 また肩や背中にも問題があり腰の痛みもあるようです。腰の痛みは4日ほど前からなので、無関係だと思っているようです。 しかし、無関係でないのは身体の形を見れば分かります。
なぜなら胸郭が縮んで上半身が猫背になって腰の動きを阻害しているのは明らかだからです。 そこで頭を見てみると左側頭部から頭頂部にかけての緊張があることが分かります。また右の後頭部にも反応があるので、左前と右後ろの問題があることが分かります。
特徴的なのは、首の変化です。頸椎の一番は左回旋異常があり、左側屈伸展が問題になっています。しかし首の中間の頚椎の3番あたりの緊張は右になっています。そして頚椎7番当たりは左になっています。首にこのような変化が現れた場合、めまいや貧血はよく起こるようになってきます。 これだけの変化を見ただけでも何の問診もしなくても、パニック障害のような状態になっていることを予測することができます。
当然左側の肩上部も緊張してるのが分かります。喉の詰まりもあるので左側の前頚部もかなり圧痛あります。精神的な緊張の特異的なパターンだと思います。また鎖骨の内側や肋骨の上部で胸の方は当然緊張しています。 また上腕二頭筋部も左右差があり、左の方が緊張しています。
圧痛が強く飛び上がるような状態です。 また肩甲骨も左前に押すと抜けるような感じになります。右側は少し止まります。これは左の肩甲骨が前方転移しているということを意味しています。
左を中心にして呼吸ができにくいということも分かりますので、何らかの呼吸障害があるということも分かります。
いわゆる自律神経失調症みたいな不定愁訴の場合は、このような変化がよく起こりますので、肩甲骨の動きというのは重要なポイントになると思います。肩甲骨でつながっている上腕骨の動きも軽く引っぱると前に抜けるような感じになるので、背中側の筋肉をほとんど使っていないということも分かります。 つまり自然に猫背の姿勢になってしまうわけです。
特に左側で強くそれは起こります。このような状態になって背中側の緊張があると、一番症状を起こすのは腰なのです。背中の痛みもありますが、腰の痛みはよく起こります。東洋医学的には肺と腎の関係です。その肺に影響しているのは肝臓の反応です。神経が高ぶり、それが肺に影響して、風邪が内向した結果だと考えられます。
ここで面白いのはその風邪がどこに内向しているかということです。この方の場合は膝から下に風邪が内向していました。傷寒論で言えば少陰病の反応です。膝から下の一部分だけに少陰病の反応が出ていました。
全身に影響している風邪の反応です。 これを調整することで、一気に改善させることができます。狙いどころは下腿内側です。もちろん硬いの内側部には圧痛もあり、足首の上部から下部でも圧痛があります。これでは左足に力が入るはずがありません。
少陰病の調整をすると左足の圧痛はなくなっていました。これも左右の手首に針を当てただけです。本人もびっくりしていましたが、それだけの刺激で十分です。時間も1秒以内だと思います。 それで姿勢も変わり顔色も良くなってきました。待合で待っていたお母さんが治療が終わるなり「あんた顔色ようなったなー」と顔を見るなり言ったのが印象的でした。
よほど顔色も悪く落ち込んでいたのだと思います。 このようなパニック障害を起こす場合に足の問題は非常に重要です。 足に力が入らないと肩に力が入ります。
そんな状態を放置しておけば、徐々に肩や首に影響が出て、ある日突然そういう症状になったりするわけです。 ただこういう症状の厄介なところは、一度そういう状態を脳が記憶してしまうと、何度もそれを繰り返してしまうことがあります。 その都度調整をして、足で地面を踏みしめられるようになり、胸郭を開いてあげることが必要です。
脳が良い状態を記憶してしまえば、元に戻ることは少なくなると思います。
肩や首に刺激を行ってはいけないということがでいただけたのではないかと思います。
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