この動画の中には様々なことが凝縮されています。最初の数秒で、前脛骨筋の状態や下腿部の脹りの状態を知ることができないと感覚で全体を掴むことは不可能です。
触診の上手い人の手の動きを見ていると柔らかくて軽く触っています。あれは物理的に触っているのではなく意識で触っているんだなと思っていました。その動きを真似てみるとわかりやすくなります。指先の柔らかさや触れ方というのはとても大事だと感じたのを思い出します。
上手い人の手の形を真似るというのはとても重要です。
強く触れたり、大きく動かさなければわからないというのは、単なる幻想です。小さな動きは、大きな動きと連動しています。軽く触れて感じられないものは、強く触れても感じません。
大きく動かし、強く触ったことしかない人にとっては、人間の身体の精微さを理解することは不可能です。
どれぐらいの範囲で異常があり、どの動きが悪いかを一瞬で感じることが目標です。その延長線上に経絡や穴は存在しています。その基礎が確実にできないのに経絡や穴を感じることは不可能だと思います。鍼灸治療における経絡や穴は、確実にこれができた上にあります。それは絶対に間違いのないことです。
また、大きな動きをさせれば当然時間がかかります。時間のロスです。触診が上手くなりたかったら、触診が何でできていて、どんな触り方をした時にどう感じるかを明確に区分している必要があります。それは理論的に解決できることです。しかし、理論的に解釈できたとしても出来るかどうかは、キチンと取り組んだかどうかで違います。
実際、鍼灸師でもない人が1年以内にできています。習得する時間は問題ではありませんが、できるという事実を知ることです。主観的に妥当性があるということです。
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