触診ができたとしても、その結果が動きと連動しているというのを、しっかり実感できないと意味がありません。触診をしただけでは、それが本当かどうかが判定できないからです。触診と動きが一致した状態を確認した後に患者さんがどう感じるかをしっかり聞き感覚を磨いていく必要があります。
目的意識を持っていない行動は、何年経験を積んでも上手くはなりません。意識やイメージを使いながら実践していく必要があります。また、前脛骨筋全体が異常を起こしている訳ではありません。軽く触れればどの位置が異常かを理解できます。下腿中央よりやや上のところに異常が一番強いというのもわかります。そしてその範囲がどこまであるのかも一瞬で判断できます。
よく筋肉を、筋肉名でひとかたまりで捉える人がいます。教科書を真面目に読んでいる人は、前脛骨筋が異常を起こしていたら、背屈が異常だと決めつけてしまう訳です。しかし、そんな訳はありません。前脛骨筋全体が異常になることは殆どありません。
筋肉は他の筋肉と連動して動いています。その筋肉だけが収縮している訳でもありません。拮抗筋が働いている訳ですから当然周囲の筋肉に影響を与えています。
背屈すれば底屈する筋肉も同時に働いています。 それなら触診をする時も、そのイメージングがしっかりできていなければ捉えることも不可能です。それなのに背屈した時には、背屈する作用のある筋肉がおかしいと考えてしまう訳です。それでは触診は上手くなりません。
この動画でもわかるように背屈は普通にできます。背屈しながら外反しつつ軽く外旋するような動きのみが異常なのであって、背屈自体が悪い訳でも、できない訳でもありません。つまり大きな動きで観察すれば、背屈は正常という評価になるということです。
やや内反すれば背屈は柔らかく抵抗もありません。 静止した状態で緊張している(圧力が高くなっている)訳ですから、圧力が高くなったことによって他の筋肉にも影響を与えています。
当然ですが、骨と筋肉は実質なので、一部が腫れればどこかにその圧力を逃がさなければならないので他の筋肉や骨にも影響が出ます。
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