昨日の続きです。
この調整を行った結果、咽の圧痛はなくなってきました。
もちろん、腹部の緊張もなくなり、左に体重をかけてもスムーズになっています。腹部の緊張があると片側に体重をかけづらくなりますので、それも改善されています。免疫系の疾患の方が左前に体重をかけにくくなるというのも面白い現象です。
そして手をあげてもらうと挙上が楽になり、手も後にいきやすくなっていて驚いておられました。肩には刺激をしていません。
とにかく、肩を治す為ではなく、身体全体の問題を考えて異常部位をなくしていくということで肩の痛みもなくなってきたということです。
五十肩のような肩関節が拘縮したような異常ではない(これがとても大事です)ので、治療目的がハッキリし、調整がうまくいけば、著効するということです。しかし、あきらかに長い年月可動障害もあり、髪をとかすことができづらいとも訴えていましたので、生活には問題があったと思います。
5日後に二回目の再診に来られました。髪がとけるようになって喜んでいました。右の咽の圧痛はなくなっていましたが、逆に左に変わっていました。
これは少陰の反応が左足から下腹部までにでていた結果です。実は、この左側の咽の異常が本来あるべき異常です。
症状も緩解し、圧痛も左右が逆転したということです。 少陰病に関しては、前回の陽明の三黄瀉心湯から六君子湯に変化していました。六君子湯も基本的な方剤です。
基本方剤は四君子湯で、胃内停水を除くような方剤が中心のようです。どの見方をしてもやはり胃腸の調子をあげることが最終的には主目的となるようです。このあたりが漢方薬の適応を診ていて重要なことだと思っています。どの異常が一番問題になっているのかを探るのにとても良いということです。
六君子湯は四君子湯にない半夏が入っていますが、半夏は副作用が若干あるようです。それを中和させる為に生姜も配合されています。しかし、名前が凄いですよね。四つの君子と六つの君子が配合されている上薬だということのようです。
最初は陽明病だったのに数日たったら少陰病に変化していたということは、予測ですが、最初の陽明の反応が完全になくなり、過去の少陰病がでてきて主役になっていたということだろうと思います。
表層の治療から深層の治療になったということでしょう。主には陽明病からくる肩の痛みだったと解釈すると納得できます。
肺の感染症であるのにもかかわらず、治療が難しい肺マック症ですが、そこには何らかの胃腸を中心とした免疫疾患が隠されている可能性があるということだろうと思います。
それにしても、そんなことで鬱陶しい肩の痛みが長年続いたらホントにやりきれません。 抗生物質を長期間飲んでいるので、血液データとしては出てないそうですが、胃腸には副作用があってもおかしくはないだろうと思います。
ホントに人間の身体は不思議ですね。何がどうなっているのか神秘だと思います。
0コメント