背中の痛み

背中の痛みは腰の痛みとは場所が違う痛みですが、重苦しい感じから突き刺すような痛みまで様々です。


糖尿も高血圧もあり、睡眠不足になっている状態での背中の痛みという例でした。投薬はしていますが、それでもストレスがかかると背中や腰、あちこち症状がでるという状態です。 

気分も優れない状態ですので、根本的に生活習慣を変えなければならないだろうと思いながらも改善できないというパターンです。 


背中の痛みに関しては、右肩甲骨下部から胸椎10番あたりまで続いていて、右腕や、右肩、首の緊張にも影響しています。 便秘ではなく緩めの便を普段していますが、大黄牡丹皮湯という漢方薬が適応になっていました。

これを手にもってもらうと、右背中の緊張や腕肩の緊張が少なくなります。こういう状況なので、この方剤だけで全ての緊張がなくなる訳ではありません。

やや柔らかくなるという状態です。 大黄牡丹皮湯は、駆お血作用があり、消炎、排膿作用もあります。かなり強いタイプの駆お血剤ですので、タイプ的にはバッチリだと思います。ただ、この漢方薬の症状の適応は、痔疾や尿管結石等とも書かれています。 


額面通りに見たら、あまり適応とは言い難いのではないかとも思います。これを補う為に柴胡加竜骨牡蛎湯という気の病に関する漢方薬を追加してみました。 すると背中の緊張はかなり少なくなり、そのかわり左側の腰の中央に異常が出現するような感じで、ハッキリとでてきました。

奧に隠されていた芯の問題が腰周囲にあるのだろうと思います。 


 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、小柴胡湯という方剤から甘草を取り去って、桂枝、茯苓、龍骨、牡蛎という方剤を加えたものと考えます。長い名前ですが、のぼせをさげて鎮静効果がある処方であり、かなり広範囲に使える体質改善薬とも言えます。 

体力中等度で,イライラ・不眠・心悸亢進などのある場合に 広 く用いることができ、高血圧症・動脈硬化症心悸亢進症・不眠症にはfirst choiceと言われています。 


この方の症状には、適応と言えますが、前記したように大黄牡丹皮湯を手をもってからでないと、柴胡加竜骨牡蛎湯は適応にはなりません。症状だけで、この二つの方剤を推測することが不可能に近いと思います。柴胡加竜骨牡蛎湯が体質改善的に適応ということは、気の問題があるベースにあるということになります。


大黄牡丹皮湯で調整しない限り、体質改善の柴胡加竜骨牡蛎湯は適応にならないからこそ、順番が大事ということだと思います。体質改善薬だから長期に飲ませても大丈夫とは言えない訳です。

本当に長期に飲んでも良いものなのか疑問を持たなければ、人によって過剰投与になってしまう可能性があるというこです。 


何例か漢方薬を紹介し、それに対しての考察をしてみましたが、漢方薬は額面通りに使ってもあまり効果がないということを身体の反応はあらわしています。

身体の反応を診て処方すれば、一瞬で身体が軽くなり動きやすくなるはずです。 つまり飲んですぐに効果がでるということです。 だからこそ症状にだけ注目しても駄目なのだとわかります。

最初に異常を確認し、その異常がなくなるかどうかをしっかり把握する必要があるということだと思います。 



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