漢方薬を手にのせる

昨日の続きです。


漢方的には少陰病の反応があったので、少陰病の異常反応のある部位をみてみると、左下腹部から股関節大腿外側から前側という感じで広範囲に反応がありました。症状とある程度一致しています。


陰病の適用漢方薬の中から選んでみると、桂枝加朮附湯という漢方薬が適用でした。それから十全大補湯と言う漢方薬も若干適用になっていました。 この二つの漢方薬を、それぞれ手にのせて動きや圧痛をチェックしてみました。


動画の中でも桂枝加朮附湯を手にもってもらった時の方が体の動きがスムーズであることが分かると思います。また本人もスムーズな動きになっていることを自覚しています。 もちろん圧痛も桂枝加朮附湯の方が十全大補湯よりクリアに消えています。 このような簡単なテストで優位診断ができるということです。


桂枝加朮附湯は、桂枝湯という漢方薬に蒼朮と附子を加えたものと考えることができます。 汗の出やすい、顔色のあまりよくない, いわゆる虚証タイプに使う方剤であり発散剤です。 これに発散性の強い蒼朮と附子を加えたものです。つまり湿症の人向きと言えます。

そして附子は、冷えをとるのに効果的な生薬なので寒証向きです。 冷えて湿のある方に効果的な為、リウマチや神経痛などに用いると言うことです。 


当然ですが、この方にリウマチの症状もありません。関節に水がたまっているようなこともありません。もちろん変形もありません。主訴も全く違います。イメージと適応がかけはなれているので、経験がなければ、このような処方はしないのが普通だと思います。

鍼灸師として、漢方薬の適応を選ぶ理由は、この方の今の状態は、冷えがあり湿症の状態が左股関節周囲にでていて関連する症状として股関節の違和感がでているということです。


それがわかれば調整することは簡単です。



御薗治療院

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