側胸部と肩関節周囲炎

胸脇苦満と側胸部の緊張の話しの続きですが、肩関節の話しを書いてみたいと思います。 


肩関節周囲炎では、必ず側胸部に緊張が起こりますが、これは上部の胸椎が、捻れを起こしているということを意味しています。 

上部胸椎は肩甲骨や頸椎がある為に、下部胸椎とは自由度が違います。多くの筋肉にも阻まれているので上部と下部の胸椎は構造的に考えても全く違うものと考えて良いのではないかと思います。 


上部胸椎の捻れを吸収するために、肩関節が前方に転移してしまったりします。つまり、上部胸椎の異常が誘因となって肩関節周囲炎を起こす可能性があるということです。

もちろん、一つの誘因というだけで、肩関節周囲炎の全ての原因ではありません。それによって、上腕二頭筋等の腱鞘炎を起こし、腱や関節包を巻き込んで腫れ上がって緊張することで肩関節にロックがかかる訳です。


この緊張はやがて肩前側を中心に全体に側方、後方へとひろがっていきます。 この時点で痛みがない場合もあります。この状態が続いている人が何かの拍子で痛みを起こしてしまったりします。 だから、ある日突然、痛みを起こしてしまってビックリすることもあります。

肩関節周囲炎には、必ず上部胸椎の捻れが存在しています。上部胸椎の回旋異常がなく、肩関節だけが炎症を起こすというのは構造上あり得ません。 側胸部と言っても上部の側胸部と下部の側胸部では違いがあるということです。 


様々な誘因が重なって痛みを起こしているからこそ簡単には可動域の制限を解除することはできません。それでも、確実に動かしていくと思ったより早く良くなっていく訳です。

御薗治療院

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