動きから漢方薬の適応

昨日の続きです。 

このような時に柴胡加竜骨牡蛎湯を手に持ってもらっても右肋骨の緊張感が消失し右回旋が容易になります。肝臓の左葉の上後方に手をかざした時と同じ現象が起こるということです。柴胡加竜骨牡蛎湯も柴胡剤の代表的な体質改善薬と言えます。

これによって右回旋異常がなくなって前後の動きも正常になるわけです。つまり正しく屈曲できるということです。正しくというのは、ストレスなく動けるということです。


この例のように下部胸椎の異常は、柴胡加竜骨牡蛎湯のような主に胸脇苦満を調整するような漢方薬が適応になる可能性があるということだろうと思います。 

彼の側胸部の運動障害は、柴胡加竜骨牡蛎湯が及ぼす影響の範疇だったということであり、常に左回旋している癖をもっているということです。動きと経絡と漢方薬の効果が一致する現象が起こっているということだと思います。 


柴胡加竜骨牡蛎湯の詳細は、小柴胡湯から甘草を去って、桂枝、茯苓・竜骨・牡蛎を加えたものです。小柴胡湯は体力中等度で胸脇苦満(季助下部圧重感)があり, 多少とも易疲労性や食欲不振のある場合に広く用い られる方剤です。

もちろん、このような症状を自覚していなくても適応になるので、自覚症状だけで漢方薬を選ぶのは効果的な場合とそうでない場合があります。

これに鎮静効果の強い竜骨と牡蛎が加わり, 更にのぼせを下げる柱枝と, 腹部の動悸をとる茯苓が加わった方剤と言えます。


小柴胡湯の変方なので、一応熱証用で虚証用の方剤で熱寒のはっきりしない場合でもかなり広く用いることができます。

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体力中等度で,イライラ・不眠・心悸亢進などのある場合

高血圧症・動脈硬化症心悸亢進症・不眠症にはfirst choice, 禿・インポ


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