股関節の痛みで足をひきずりながら来られると、ある意味腰痛より可愛そうな気がします。
足を上げられないので歩行がかなり困難になりますからね。
健常者の場合、足があがるのが普通なので、足を上げて歩くことを特に意識することはないですよね。
でもこの痛みに襲われると歩行に気をつけなければ痛くて動けません。
この動画の方もカニさん歩きで来院されていました。
こういう場合は、普通なら股関節の状態をみますよね。
股関節周囲を目視すると患側の大腿部は健側より腫れてます。
つまり局所も炎症を起こしている可能性があるということです。
★動画でも写真を写しています。 触れてみると皮膚もパンパンになった感じがします。 診断をしてみると異常ポイントは側胸部と肩でした。
悪い側の肋間に問題がある訳です。
ええ~?
って思うかもわかりませんが、椅子に座った状態で健側の手で側胸部を触れて貰うと足が上がりやすくなります。
全くあがらなかったのに側胸部と肩に手を触れると触れているだけで上がるようになってくる訳です。
そして手を放して貰うと上がらなくなってしまうのです。
この状態を東洋医学的に考える筋力検査をしてみました。
すると肝の問題があるのに気づきます。 東洋医学での肝は単純に肝臓の働きというだけではなく、精神活動の中枢みたいに書かれています。 外敵を防ぐ一切の思慮をつかさどる。 と言われています。
人間の思惟活動の中心みたいなものですね。
西洋医学的に精神活動をこの痛みと結びつけるのは困難です。 しかし、筋力検査なら、それを簡単に見分けることができます。
筋力検査では側胸部から肩、側頸部まで思惟活動の低下が見られました。 また肝は血を蔵すとも言われます。 血を貯蔵して調整する臓器と考えていました。 そして筋肉とも関係あり、目とも関係します。
これらを考慮してみると思惟活動が低下したことで血の調整が右足から腹部までできない状態と考えられる訳です。
もちろん血の反応として、側頭部や側頸部にも出ていますので目ともつながっています。
この調整を手足の二箇所の鍼で調整してみると足が上がるようになってきました。 この時点で肝の反応はなくなっています。
たったこれだけです。
それだけでも膝が軽く曲がるよになってきています。 あとは軽く大腿部と右手を撫でるように皮膚刺激をしました。
常識的に考えて股関節の腫れが良くなるとは考えにくい刺激ですよね。 時間から考えてもね。 でもそれで歩き方が完全に変わりました。
もちろん骨折していたり局所に何らかの病変がある場合は別ですよ。
しかし、そんな状態であっても正しい診断をして調整をすることが重要です。
どこを刺激するのか?
その刺激量は?
というのがとても大事だということがわかって貰えたと思います。
全体のバランスは自然治癒力を向上させます。
なぜなら身体全体の負荷が少なくなるからです。 次の日はちゃんと歩行されていました。
朝起きると痛みが殆どなくなっていたそうです。
そして2日後には、足踏みしても全く普通の状態です。
関節の痛みを関節の治療でとるのではなく、臓腑の働きで捉えて治療することもできる。
というのを再現できました。
人間の身体はまだまだわからないことばっかり!!
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