昨日の動画で紹介させてもらった腹部圧痛の方の立ち方を変えた場合の変化です。
お腹の圧痛が立つ位置と関係があるということを意味しています。
これは肩の緊張や腰の緊張等々も全て関係します。
くすぐったいような痛みを伴う圧痛があると、足を揃えて立って身体を傾けた時、身体を真っ直ぐしたまま倒れることができません。
簡単なテストですが、体重移動をする時の動作に不具合があることを意味しています。
右も左も前に倒れることが困難な状態になっています。
私が補助をして真っ直ぐするようにしながら身体を倒すと腹部の圧痛は完全に消失してしまいます。
通常腹診というのは仰臥位で寝て行います。
しかし、寝て圧痛を確認しただけでは、このような動的観察は不可能です。
仰臥位の腹診では知り得る情報が少ないということが言えます。
またお腹の圧痛は常に体重移動と関係して存在しているということを意味しています。
この現象は再現性が十分あります。
圧痛もくすぐったいような圧痛は、ごまかしが効かないぐらいハッキリしています。
我慢しきれないので知らん顏はできませんからね。
体重移動がうまくできない人は腹部の機能(内臓を円滑に移動をさせる機能)が損なわれている。
逆に言えば体重移動がキチンとできれば内臓の機能を向上させることが可能。
ということが言えるのではないかと思います。
お腹に圧痛がでることで小腸や大腸、腎臓、膀胱、横隔膜周囲の臓器全てが機能低下を起こすでしょう。
実際に皮膚症状が良くなってくると腹部の圧痛は消失してきますし、身体を傾けて立っても母指で踏ん張れます。
とても面白い現象ですし、再現性もあります。
こういう基礎研究をおこなって身体を観察していくことで症状の改善をしていくことが何よりも重要なのです。
専門家の勉強会ではこういうことを詳しく行い、意識と身体の動きや緊張がどう関わっているのかを習得してもらいます。
基礎研究は、やればやる程面白い。
一見すると単純に見えますが、いざやってみるとこういう反射を患者さんと一緒に共有することが難しかったりします。
そのちょっとしたコツを知るのと知らないのとでは全く違いがでてきます。
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