不覚にも昨日捻挫をしてしまいました。
犬を散歩させようと思い駐車場に出た時にクボミに足をとられて、強制的な内反位になりました。
外側側副靱帯の前距腓部あたりを引き伸ばしてしまったようです。
何十年ぶりかなぁ~。
人の捻挫は何度も治しましたが、自分が捻挫をするとは・・・。(^^;
アナにはまり込むような感じになってしまったので足首の前外側と内側靭帯も回転の力が加わって傷めたみたいです。
一瞬歩けないぐらいの痛みで、持っていた綱を思わず放してしまう程で、うずくまったけど、なんとか犬を呼び寄せて綱をもって家に戻りました。
その時に面白い現象が起こりました。
膝の内側にも違和感があったので、何経筋が一番異常を起こしているか脉診すると胃経筋でした。
それで胃経筋をたどっていくと、足首の外側に蛇行した後に、膝の内側に向かって流れ、大腿前外側に蛇行して行ってます。あきらかに胃経筋の流れとは違います。
つまり肝経のあたりまで胃経筋が捻れている感じです。
なんと凄い蛇行!!
当然、肝経や脾経も胃経に押し込まれて蛇行しています。
面白いことに正経である胃経は正常な経路を通ってます。胃経筋だけが、正経を飛び越えて、交差しているんですよね。
だから、ねじ曲げられたのは胃経筋のみでした。
そのまま、何もしないで放置し、どのぐらい時間と共に変化があるか観察していたのですが、4時間たってもあまり変化はありません。
ちょっと蛇行の角度が緩くなったかなぁ~というぐらいです。
この時点で調整してみようと思いました。
まず、治療経脉は三焦経筋の反応があり、後頭部から側頸部までの異常反応を認めました。
三焦経筋の反応は後から大きな意味を持ちます。
経筋治療って結構範囲が広いので穴というより面として異常が出現します。
案外大雑把でも効果がでますので、初心者には、とても良い題材だと思います。
面白いのは、経筋は左の経筋が蛇行すると、それにつられるように右側も蛇行します。
つまり左右対称的に異常を起こすので、両側の治療をしても効果的です。
というか両側を刺激しないと効果が薄れるのかもわかりません。
右を傷めたら左、左を傷めたら右の治療をしなさいということを言われますが、経筋系に関しては左右同じ場所を刺激しても効果があるということです。
次に問題になったのは胃経筋の足首付近です。
痛い場所という訳ではありません。あくまでも胃経筋の流れに沿って異常反応のあるところを刺激します。
これも両側でとりました。次には胆経筋が側胸部付近に大きな範囲としてでていました。 腋窩から股関節まで大きな範囲です。
この範囲にはやはり頂点が存在します。
範囲の中で一番優位な点ですね。
それがGB23(輒筋)あたりです。
また経筋系は、主に股関節と肩関節を回旋運動させた状態(左股関節が前なら左肩は後という感じ)で刺激する方が有効です。
左右に同様に問題がでているので、左回旋して左側、右回旋して右側という感じで行う方が効果的です。
これは、静止時に反応がとれているように見えても動くと反応が再発したというようなことを防ぐことも可能になってきます。
再度脉診をすると、心包経筋(PC3(曲沢)あたり)にもあり、次は腎経筋(KI10(陰谷)あたり)にあったので、それぞれを刺激しました。
範囲が大きかったのでキネシオテープを3センチぐらいの長さに切って、貼り付けておくと曲げても痛みはなく、押さえると足首の前外側のみが少し痛む程度に変化していきました。
経筋系の調整は、幅も広く、範囲も大きいので初心者向きです。
捻挫をした一瞬は、靭帯が伸びるような音もしたので、完全に捻挫をしたと思いましたが、なんとか歩行できたので良かったですが、超痛かった!!
それで足首も案外腫れました。
足首をいつも鍛えているので、その効果もあって、これぐらいですんだかな~。
このように脉診をすると数種類の脈が局所と関係してあらわれます。
それには、順番があります。
蛇行が激しかった胃経筋が必ずしも、最優位でないということです。
胃経筋は膝の内側まで蛇行していましたが、腎経筋のKI10(陰谷)を刺激したというのが面白いところです。
闇雲に痛みのある場所や圧痛点に刺激しても効果がなく、経絡が蛇行しているから、そこを刺激すれば良いというのでもありません。
そして順番を守らないとキチンと異常反応が消失してくれません。
当然ですが、刺激した後、胃経筋も腎経筋も正常に近いところを流れるようになりました。
異常を起こしている順番があるので、その順番を守れば身体はキチンと反応してくれます。
テーピングをして少しの時間が経過すると足首を捻挫方向に曲げても痛みはなく、やや違和感がある程度まで減弱しました。
経絡が大きく蛇行しているところには、当然、水の流れの異常や熱が起こります。
川の流れに例えるなら、蛇行部位の外側は削れ、内側は土砂が積もる。
それによって蛇行が余計に大きくなる。
この現象と同じことが時間の経過と共に身体にもあらわれます。
それで異常が大きくなるということです。
最初に起こった経筋の反応を除去せずに放置し、時間が経つと正経や奇経、経別に流れるというのが外傷の後遺症なのかもわかりません。
外傷も後遺症として気血水の流れに異常を与えるということでしょう。
キチンと脉診し、順番を順守することで、正常な流れに近くなり、反応は次々と消え、一瞬で症状は緩解します。
このような外傷の場合、調整して自然治癒しやすい状態を作って、経過を観察し、再度調整を加えるということで治りが急激によくなります。
それは骨折でも捻挫でも打撲でも全く同じです。
これまでの文章は昨日の経過です。
朝起きたら体重はかけられますが階段を降りる時に痛みがありました。
これが患側の三焦経の奇経治療適応状態として関係していました。もう経筋系の反応ではありません。
調整をすると痛みが楽になり、階段の上り下りも大丈夫です。
TE14(肩リョウ)で全体のバランスをとったみたいです。ここからが体幹の奥深くから異常を起こす動作に入っていきます。
この反応が体幹の動きにも異常を起こしますが、あくまでも経筋系ではないので、運動器系の調整をしても無効です。
つまり経筋系のみの調整では対処できません。
筋骨格系の異常を調整して効果は得たのに、その奥がとれきれなくて、症状が残る場合があります。
それはこういう調整をしていないからですね。
外傷の異常は、末端から異常を起こして体幹部分から奥深く入るという現象を体感したっていう感じです。面白いですよね。
傷めた時、腎経筋が後頚部から後頭部の方まで走っていたのを確認していたで、その影響を受けて入ったみたいです。
カギは、三焦経(奇経)と腎経(経筋)だったと言うことです。
たったの捻挫、されど捻挫。
まあ半日でこれぐらい変化がでれば良しとしましょう。
今日は散歩も行きましたし、ジャンプもできます。
外傷から、どのように変化しながら内的に侵攻していくのかがわかるようになってくると、もっともっと奥深いところまで探れます。
そうすると病能の痕跡が見えてくるんですよね。
専門家の勉強会でも、まだまだそれを教える域には達していないので、表面上の身体の動きの変化から習得していってもらっています。
来年は、徐々に奥深い入り方なども説明していきたいと思っています。これからが楽しみです。
肉体と精神が絡み合う瞬間を体験してもらえるかな~って思ってます。
表面上の変化はあくまでも表面上の変化ですからね。
つかみ っていうやつですね。
しかし、しっかり つかみ の調整を理解しないと鍼灸の醍醐味は味わえない。
次の段階になったら、もっと不思議なことが一瞬で起こったりします。
奥深くまでダイブすると色んな景色が見えてくるんですよね。(^^)/
やっぱり身体って面白いというか興味がつきない。
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