衛気
衛気とは、いわゆる皮膚免疫の話しかなと思っています。
皮膚や粘膜(口腔から胃や腸の中の粘膜)に存在している「気」だと解釈しています。
人間の身体は胃の内側は、体外と考えます。
これは西洋医学でも同じです。膵臓から十二指腸に膵液が流れる時には、外分泌器官と言います。
口腔や腸内は皮膚とつながっているので外側なんです。
そこには、常在菌があり、免疫活動がおこなわれているので、この働きの元のエネルギーになっているのが衛気だと考えています。
なので衛気の異常反応を診る時は、皮膚だけでなく、口腔内や気管支の内側、鼻腔も含んだ粘膜の異常を意識して調べます。
アトピー性皮膚炎も衛気が低下した状態です。衛気の低下している場所は皮膚を摘むと緊張があります。これも右と左で違いがあります。
しかし、身体の皮膚全部が緊張するということはありません。
全身にアトピーが出ているような人でも衛気の低下作用が強い側と弱い側があります。つまり、アンバランスが起こっているということになります。
そのバランスを丁寧に解消することで、体力をつけることができるようになって治癒しやすい状態にもっていく訳です。
あと、風邪のひきはじめには、必ず衛気の作用が首から上で低下します。咽頭や鼻腔も衛気の作用です。副鼻腔内も身体の内側にある外界であり、粘膜です。
このあたりには躾濃い衛気の反応が起こりやすい。
風邪は万病の元と言われますが、鼻腔や咽頭の衛気の作用が落ちて、同時に顔面部のあたりで元気が落ち、宗気が低下すると呼吸作用が弱り風邪をひきやすい状態になるということだろうと思います。
風邪はただうつるだけでなく、こういう作用が低下して発症するのだろうと思います。
衛気は、熱気が高いと言われているのも頷けます。 汗腺の開閉にも関係し、筋肉も温めると言われています。衛気の作用は、身体の防禦システムそのものという感じですね。
あきらかに皮膚の生理作用と合致すると思います。
皮膚は、微弱発電作用や、免疫機能、体温調整機能や湿度の調整機能、ホルモン分泌や受容体の機能もある訳です。
当然、様々な情報のやりとりもしている器官ですから、衛気の作用は、全身に影響しています。これは、現代医学における作用と同じです。
衛気の作用が低下している場所を確認できるようになることは、体調管理に役立つでしょう。
もう一つ面白いのは、腸内の粘膜の衛気が衰えた時に、背中や腰の緊張を伴うということがあります。左側の小腸に問題があらわれて、左腰が緊張するということもあります。
また尿道や膀胱内にも衛気の作用があり、この衛気の作用を調整すると、若干残っていた腰痛が改善するということもあります。
意外な作用をしているのが衛気の作用と言えるでしょう。
ここで紹介した「気」の低下現象と症状は、私の独断と偏見で解釈していますので、東洋医学の基礎とは話しがズレる部分も多々あるかもわかりません。
「気」の低下作用というのは、低下しているから必ず症状があるという絶対的なものではありませんので、それを推察しながら診察する必要があります。
間違っていれば間違っていたと訂正します。しかし、何らかの作用が身体に影響していることは事実だろうと思います。
そういう理解をしなくては、具体的な東洋医学は学べません。
衛気、営気、宗気、元気の低下現象は、これからも焦点をあてて調べていきたいと思っています。
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