手足の関節は実質


骨が動く前に筋肉、筋肉が動く前に皮膚があります。

これらも全て連動しているという当たり前の事実に気づかなければなりません。皮膚は風船の表面と同じです。人間の皮膚の下は空気が入っている訳ではありません。実質で水びたしです。  


水は非圧縮性の流体なので、圧力をかけても通常は体積は減りません。どこかの圧力が高くなれば、どこかの圧力が減っている訳です。 必ず対になっているはずです。 それは遠く離れた場所ではありえません。 遠隔部位にあるはずがないのです。

立った状態から足を椅子ぐらいの高さのところに置いて、下腿部の柔らかいところを触って皮膚の緊張をみてください。そして外側から押すと内側には皮膚の張り感が強くなっているのがわかると思います。当たり前の現象ですが、押した方は皮膚と骨との距離が小さくなり、押された方は距離が大きくなるから起こる現象です。これは部分的にしか起こらない現象です。


もし、遠位部に何らかの圧力の差が生まれたとしたら、立ったり歩いたりする時に必要に迫られてそうなったと考えるべきです。その場合は、直接的な影響ではなく間接的な影響と言える訳です。

そうでなければ腰の痛みに鼻を調整したり、手を調整したりする理由にはなりません。 水で満たされた風船の一部分を押せば、押した方向と反対方向のどこかに圧力がかかり表面に負荷がかかって、風船の表面は伸びるはずです。


それと同じことが人間の身体にも起こっています。 片方が縮めば、それと同等の圧力で、その近辺のどこかの皮膚が膨膨するはずです。 皮膚が膨膨すれば、皮膚の表面を通っているとされる経絡も穴も変化するのは当たり前です。

経絡や穴は、主に体表面を通っているから、そうなることは誰でも予測できます。これが経絡の蛇行につながり、穴の変位につながる訳です。 圧力が変化し、経絡や穴も変化することで、動きにも影響がでてくる訳です。逆に言えば、経絡を触診でき、その変化を捉えることができれば、圧力の高い場所や、それに伴って異常を起こしている組織自体も見当をつけることができるということです。 


この場合は背屈ができにくくなっているということです。 これだけのことを一瞬で診断できるだけでも身体全体のバランスがわかりやすくなります。 また、地面は平面です。重力に対して垂直に働いているはずだから内反気味になれば、当然地面を捉える為に足の位置を外側に変える必要があるのは言うまでもありません。  


足の位置が変われば腰にも影響がでます。それを補って上半身にも影響がでます。物理的にも当たり前の話しだと思います。 目に見える物理的なことは、しっかりおさえた上で経絡や穴の存在を認識することができれば、鍼を打つ時に何が必要で何が必要でないかも自然に見えてきます。 


東洋医学を発展させる為には、このような理解が必要不可欠です。 基礎を確実におさえれば、確実に理解し、効果を出すことができるようになります。当たり前の話しなのですが、それを理解しようとする人は少ないように思います。 頭だけで誰かの理論を利用していた場合、イレギュラーがでれば直ぐにその理論は壊れます。だからセミナーショッピングになる訳です。 もっともっと泥臭くトライアンドエラーをし、結論を絶対に急がないで自分のものにしていくということが何よりも重要です。


御薗治療院

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