この動画でも説明していますが、筋力検査は力比べではありません。
勘違いして力比べをしてしまおうとするので、うまくいかないことがほとんどです。
力比べをすれば三角筋テストは、術者が勝つに決まっています。 あくまでも被験者の力の感覚を感じるだけの検査です。術者側もそれを理解していない人が殆どだと思います。
何度も書いていますが、筋力検査という言葉が誤解を招いてしまうので、 この名称は変えなければなりません。
しかし、なかなか的を得た名前が見当たらないので、便宜上、筋力検査と呼んでいます。
また、この動画の結果からも痛みがある場所が原因ではないということがよく分かると思います。こういうことでよく押し問答します。
右手の三角筋の前部方向の挙上における筋力検査をしているだけなので、力が入りにくいということを自覚してもらうだけで良いのです。
これは患者さんが痛みに注意を向けすぎているからです。痛いことしか頭にないと純粋にどれが異常なのかという認識をすることができません。 左手が痛いという思いが認識をする目を曇らせてしまっているわけです。こういうことがあると正しく検査できないということになります。
このような心理的な部分が隠されています。真実より、その人の思いの方が強い場合が多々あるので、それを考慮することが重要です。
この日も別の患者さんで、そのような事がありました。膝の痛みを訴えているのですが、膝の位置を少し変えながら立つと楽に立てるのに、どうしても今までの「癖」のように痛みを避けるようにして立ち上がろうとしてしまいます。
それでは痛みは楽にならないということを頭では理解しているはずなのに身体がそれを理解していないわけです。痛みが楽になることを望むのではなく、痛いままでいたいという望みが無意識のうちに働いているようです。良い方法があるのにも関わらず、今までの「癖」の通りにしか動かさない。そういうことで慢性痛は起こっています。
なぜ、それを捨てられないのか?
これは一つのテーマだと思っています。
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