膝の痛みの解析3

風邪の調整をしてから再度、少陽病のあった場所を調べてみると、範囲がかなり細く小さくなっていました。


風邪の調整は、海論篇の経筋の調整を一箇所に行っただけです。数秒です。ここで面白いのは、少陽病の反応を調整しても、完全になくなる場合となくならない場合があるということです。 

完全になくなる場合は、一気に抜け落ちて、その関連部位にまで影響があります。今回は一部残ったので先ほどの調整が間違っていたのかと言うとそうではありません。


段階的に消えていく状態なので、他の調整法が必要なのか、時間とともになくなっていくかのどちらかです。 複合的な異常があるということです。左の鼻にある気の低下現象が残っていたのですが、これが少陽病よりも強くなっていたことから、この時点では少陽病の反応を追いかけることはしませんでした。


常に比較診断することで、今、何が本当に必要かということを選択することができます。 このような選択が非常に重要で、ひとつの異常を追いかけすぎると、逆に深みにはまってしまうことがあるというのは治療家なら誰しも経験していることです。それを防止するためにも、幅広い視野で調整することが必要です。 


ただ少陽病の反応がある程度消えるだけで、動画の通り、左の肩甲骨の動きが良くなっているのが分かると思います。胃の方まで影響していた少陽病の異常範囲が少なくなり、胃の調子が良くなってきたということも言えると思います。 


東洋医学をやってる人ならご存知だと思いますが、胃の調子と膝は連動しているという説があるので(本当かどうかは別として)、肩甲骨の動きは、胃の状態を見るのにもとても良い検査方法だと思っています。 

少陽病の影響がどこまであるのかが事前に分かっていることで、調整後、どれぐらいの影響力があったかも知ることもできます。その影響のためにどのような症状が出やすいかもある程度予測することができます。 


脛腓関節の腫れは、少陽病の異常からも何割か来ているということが理解していただけると思います。常に考えなければならないのは原因は一つではないということです。 一つの原因で一つの症状が起こっている場合は、とても簡単な状態であり、長年痛みがあるとか、強烈な症状があったとしても、臆することはありません。しかし、簡単な症状であったとしても、複数の原因が存在している場合は、そう簡単に異常が取れるわけではありません。 


このようなことからもわかるように、簡単な症状に見えても症状と治療法が1対1の関係ではないという場合が多々あるということです。それを理解していないと、腰痛なら自信があるとか、五十肩なら自信があると豪語してしまうのです。


それはあきらかに狭い認識しかない治療家です。 もっと広い見解を持ってほしいなといつも思っています。   



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