肩の痛みの続きです。

昨日のような現象は、肺経の経路の周囲に近いのではないかと思いますが、肺経の経路とは違います。


私は肺経という経絡があるとは最初からは信じていません。 臨床的に経路を追いかけていくと肺の経絡に近い流れがあるとは思いますが、あくまでも近い流れです。

教科書に書いてあるような流れではありません。この方の場合、肺経の経路とは違う伸筋側にも反応がでている訳です。こういう方は、この方のみではなく普通に沢山います。


もちろん、古典にも経別や経筋と言った正経とは違う流れがあるよと書いてあるのですが、実際の臨床では、それより変化は大きく、その守備範囲はとても大きいと言えます。経絡は、あくまでも顏も見たこともない昔の人が作ったものです。架空の話しであり目にも見えない経路の話しなので、それがあったとしても誰も証明はできません。本来、経絡は感覚で知るしかないものです。

だから法則性がありそうでないというのが正しいのであって、数学のようにキッチリしているものではありません。


作った人に直接聞いた訳でもなければ、直接教えてもらった訳でもありません。都合の良いように書きかえられた可能性もあります。 なぜ古典に書いてあるからという理由で、それが正しいと信じるのか意味がわかりません。本当かどうかはやっぱり実際に自分の目で見て、感覚で感じとるしか方法はないはずです。従順すぎると、同じことの繰り返しになって臨床が面白くなくなります。

それは致命的です。


経絡そのものの存在を最初から否定していくということは必要不可欠なことです。当たり前とされていることを疑う姿勢が必要不可欠です。

私のようなひねくれ者は、本に書いてあることが正しいと信じる程、素直な性格ではないので余計にそう思います。 以前にも書いたことがあると思いますが、異常を示している経絡は、正規の場所から大きく外れることがあります。この方の場合も肺系統に問題があり、肺経に似た経路があるのは間違いないでしょうが、経路は伸筋群と屈筋群をまたがるように走行していることから、その守備範囲は広範囲にあるということわかります。 


何の固定観念もなく、できるだけ素直に身体を観察していく姿勢こそが真実を発見する第一歩だと思います。

御薗治療院

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