特殊な腰痛2


小建中湯の追加処方として当帰飲子を選んだのですが、この方剤も基本方剤は四物湯という方剤で、それに荊芥、防風、しつ梨子、黄耆、何首鳥、甘草を加えたものです。

黄耆、何首鳥は皮膚の栄養を高める強壮薬であり、しつ梨子も一種の強壮薬で、オ血性の皮膚疾患に対応できるとされています。意外にこういうマイナーな処方が身体に影響して、なかなか治らない症状を引き起こしている可能性というのはありますね。


つまり皮膚疾患に影響があるということです。黄耆が入っているので、小建中湯に黄耆を加えた黄耆建中湯の役割もするのかもわかりません。 

最初に述べたように手の皮膚もかなり荒れている感じがあったことからもわかるように、皮膚の異常も腰痛と関係があるのではないかと思います。 皮膚疾患はかゆみや、皮膚炎だけではありません。皮膚の血の流れが悪くなることで関節に大きな影響を与えます。


大きなヤケドをすると関節の動きが悪くなることは知られていると思いますが、同じ状態になる可能性があるということです。糖尿病から皮膚の障害が起こり、それによって関節の痛みが起こったと考えれば、決してこの処方で矛楯しないのではないかと考えました。 


痛みも楽になり、本人も驚いていましたが、やはり、適切な調整を行うことで適切な症状を改善することができるということです。決して重い物を持ったからとか、腰が変形しているからという理由だけでは腰痛は起こりません。 

あまりにも局所的するぎる思考の狭さから、本質を見失っている可能性があるので、こういう痛みを改善しにくくなっているのではないかと思います。 

数日後、再診しましたが、ホウキでゴミをはいていると数分で痛みがでてきたのが全くなくなり、突っ張るような痛みだけになったそうです。再診時も痛みは感じていないようでした。 1ヶ月前から痛みがあった訳ですから、かなり改善したと思って間違いないでしょう。 また手の皮膚も赤紫でボコボコしていたのが良くなってきています。


ホントに身体って面白いなと感じます。  

御薗治療院

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