エネルギーの補給

人が物理的に補給することができるのは呼吸と食事(水分を含む)だけだと思います。


外部から違うエネルギーを与えることはできません。 しかし、食事も消化能力がない人に無理やり食べさせれば消化不良を起こして下痢をしてしまいます。

下痢をすれば、体力を消耗します。過剰栄養は体力を使うだけで吸収されないということです。栄養学では様々なことを言われていますが、過剰栄養は、必ずしもプラスには働かないだろうことが予測されます。

その人にとって何が必要かをわかっていないと平均値だけで不足分を補っても、その人にとって有効ではありません。


エネルギーが一定であるとするならば「虚」というのは必ず「実」を含むというのを昨日は書きました。総量が10なら、肩は8、足が2というように部分的な比率の違いがあるだけです。


あくまでも総量は10ですから、総量が10の人が、総量20の人に憧れても上手くいくはずがありません。体力の弱い人が平均値に近づけようとすることは、総量10の人が20の人に憧れているのと同じです。

もし、この世の中に身体が細くて小さい人しかいなかったら、今の基準の「虚」とは違う基準になっていると思います。つまり、全体の平均値というのは、必ずしも個には最善ではないということを意味しています。あくまでも、その人の中での「虚」と「実」でなくてはならないということです。 


だから漢方で言われるように高齢者で身体の細い人が「虚」という定義には必ずしも当てはまらないということです。「虚」はその人の中で完結している「虚」です。本来、他人と比較することはできません。スコープを個人にするのか、全体にするのかで、その結果は大きく違ってくる訳です。これがとても重要なのですが、こういう知識が広まっていないのは残念です。

鍼灸や漢方は、どこまでいっても「個」に対するものです。全体とはかなり相性が悪い。


一般的な基準になる人を中心に考えるのは東洋医学の本質ではないはずです。その人を基準にした「虚」の場所はここということは言えます。しかし、その人の問題なので他人や全体と比較する意味はそう多くないのです。  



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