とても短い動画ですが、凝縮されています。
昨日は左右の胃経の様態が違うまま、深浅のアンバランスという形であらわれている例を紹介してみました。同じ胃経でも右は浅層、左は深層の異常があったということです。
普段は左に異常がある方なのですが、昨日の例は右側に強く反応が出ていて、それは浅層の反応だったと言えます。
今日の例は、少陰の顏をした胃経という例です。
六経で言えば少陰の反応であるのにもかかわらず、胃経の経路に少陰の反応が出ていたという例です。
左大腿前外側に異常反応がありますが、症状は大腿外側から下腿外側にあります。いわゆる少陽胆経の経路です。大腿前外側は経絡としては胃経の走行部位ですが、六経では少陰の反応でした。
少陰の顏をした胃経と言えます。 腰の痛みも訴えているので、少陰系と関係するのかもわかりませんが、腹部も胸部も胃経のあたりです。ただ左胸部の胃経は、ぼやけているので、ハッキリとした異常ではありません。
胃経が少陰に引っぱられて上まであがれないのかもわかりません。(仮設です)
首から上も胃経の経路上には少陰の反応はありません。胸で散らばっている状態で止まっています。
胃経の反応であれば、足から側頭部まで反応がしっかり出るはずですが、途中でぼやけてハッキリしません。その変わり、お腹から側腹部、腰への影響はハッキリしています。
この例の場合は、ハッキリと腰に影響しているというか腰で止まっている感じですが、かと言って腎臓への影響は少ないようです。
それよりあきらかに腸や胃、肝臓といった消化器系の連携が深いように感じられます。肩や首、背中にも症状がありますが、経路としては別と考えた方が処理しやすいと判断しました。
また気水血では「水」の反応が強くでていて、「水」の異常はお腹、大腿前側と後側、下腿前外側にでています。少陰の反応に近い部分ですが、少陰とは違います。
このような場合、何をとって調整すれば良いか?
とても迷うところだと思います。
桂枝加朮附湯を選んでみました。決め手は、この薬剤が燥性で発散性の強い蒼朮と附子を含んでいるということだろうと思います。つまり少陰や胃腸は無視し、水の流れを優先したという反応だと言うことではないかと思います。
また小腸にも影響しているので、腸の湿を発散させてくれ、そこから少陰の顏をした胃経の経路を氷解させてくれるようです。
一見すると湿証とは言えないような体質ですが、話しをしていて、水を必要以上に飲んでいるということがわかりました。
水分を摂っても全身にまわるとは限りません。胃腸のみに留まったり、この例のように足に留まったりします。 リウマチや関節痛にも用いる方剤ですが、問題は水の流れを改善するという特長なんじゃないかと思います。
分析していかないと何もわかりませんが、分析していけば、ある程度のことはわかります。ただ、それは全てがわかる訳ではないのですが、わかる為の前進にはなります。
分析したものを調整するのに、時間はかかりません。一瞬で変化しますし、強い刺激も必要ありません。
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