背中の痛みの例です
この例の特長的な反応は、右の胃経の反応です。様態としては奇経治療適応なのに作用しているのは、胸部から上肢、腹部の筋肉です。
通常、筋肉に作用するのは、経筋系だと解釈できると思いますが、身体の反応は奇経治療適応です。
ひらたく言えば、「水」の流れの異常でリンパ管系や神経系に作用している感じです。
「水」は、リンパだけでなく、神経にも血管にも作用することがあります。血管系に関係した「水」とか、神経系に関係した「水」というような反応が出てきたりします。
気水血という概念は結構、曖昧です。
触診しても胃経のライン上から横に広がって存在し、側胸部や側頸部にも影響している感じです。
経絡は一本の線のように表現されていますが、よくよく考えてみたら身体にとって、線のような存在(異常)が起こりえるのか?
という疑問がでてきます。
必ず周囲に影響していると考えられるからです。この方の場合、動画をみればわかると思いますが、側胸部や側頸部も違和感を感じています。ただ、よく反応しているのは胃経の経路に類似します。
また特長的なのは左胃経です。
左胃経は、右胃経の反応がなくなってはじめて出てくる反応ですが、同側の経絡の異常は、バランスという観点からはありえないと以前書きました。もちろん、今でもその考え方に異論はありません。
ただ、病能というのは層状になっているというのは以前から書いているとおりです。
右は表面、左は深部という解釈をすれば、同側の経絡でも深浅と言うバランスで起きた異常だと考えれば納得できます。
また、右胃経(奇経治療適応)の適応漢方薬は人参湯でしたから、右胃経は胃と直接関係があったとも言えます。
そして、左胃経は経筋の適応だったのが面白いなと思います。表面上は筋肉と関係しているのに右は経筋系ではありませんでした。左は、筋肉と関係せず、血管と関係しているのに経筋系の調整が適応だったということです。
このような基礎的な経絡の現象を追いかけていくと、その人の病能が見えてきます。病能がしっかり見えれば、病がどういうサインを出しているかを分析することが可能になってくると信じています。
超能力者ではないので、ちょっと見ただけで全てわかる訳ではありません。そんな超能力者になりたいとも思っていません。
あくまでも経絡や東洋医学の観点から身体の反応を使って分析し、その結果、何が予測できるのかを探っていきたいというのが私の信念です。
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