水滞と陰虚

漢方の世界では、水滞の反対を陰虚とするみたいです。

漢方の世界では、どんな法則で付けられた名前なのか分からないことがよくあるのです。 

基本的には、陰陽 表裏 虚実 寒熱という対の言葉がある訳ですが、陰の反対は陽となっています。

陰虚の反対は陽実なのかなと思います。しかし、陽虚はあっても陽実という言葉もあまり出てきません。 基本的な法則から考えて水滞の反対が陰虚となるのはおかしくないのかと疑問に思ってしまいます。


本来なら水虚です。また、水の流れが不足していることを津液不足と言う言い方をしていますが、何故ここでは、水ではなく、津液という言葉を使うのかも疑問です。 

最初に漢方の基礎を学んだ時に感じる言葉の違いに悩まされます。 ワザワザ言葉を変えているということは、多い少ないという意味だけではない何かがあるというのは間違いないことだと思いますが、水滞に対する水虚はキチンとあって、陰虚という状態は、同じ水分不足のことではあるが、水虚と陰虚は意味が違うというのならわかります。


言葉の意味からすると、どうしても腑にはおちないのです。 身体の反応を診る場合は、漢方の言葉を使う必要はありません。

水が滞っているという状態の反対の状態は、水が流れやすくなって、希薄になっているという状態だと思います。つまり水虚で十分なのす。 


水虚という言葉を使って身体の反応を診てもキチンと反応してくれます。 また水滞のある身体には必ず水虚の反応も対になって存在しているはずです。

水滞だけが単独で存在するというのはバランスから考えておかしいということです。


ここで重要なことは、滅茶苦茶、単純で基本的なことであり、最初学んだ時は誰しも何故かなと思うのに、陰虚という言い方に慣れると、そういうものだと思い込んでしまいます。 すると、水虚という言葉を使う人が居たら、そんなものはないんだよと逆に諭してしまったりするのですから人間の慣れに対する免疫は、非常に少ないというのがよくわかります。 

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