身体の前後より側面の方が異常反応が強く出たりすることがあるのは、身体の動きと関係があるからだと思います。
側胸部や側腹部の異常は、体幹の回旋運動と直接関係してきます。つまり腰痛などの異常にはあらわれやすい経絡だということがわかります。
しかし、体幹部にあらわれた経絡はつながりが途中で切れたりします。 こういう時に解剖学的なイメージングを行うと、その全貌があきらかになってきたりします。なぜかと言えば、体幹の経絡は体表面を常に走行していないからです。手足も出たり入ったりしていますが、体幹部は、かなり局在的に出入りが激しく、経絡図のようには絶対に体表面にはあらわれません。
これをわかっていないと、背部に硬いところに鍼を打つみたいな、たい焼き鍼になってしまいます。
例えば胆経を触っていて側胸部には反応が強いのに、同じ側面であっても肩上部では反応が少なくなっていたりします。
そこで解剖学的に肺をイメージすると明確な反応が出ているというような場合があります。 風邪が少陽を通って入り込んだ場合などもこのような現象が起こったりします。そんな場合は大胸筋や小胸筋といった筋肉の緊張も同時に起こり、三角筋の緊張も筋肉としての反応が顕著になります。
アプライドキネシオロジーなどでは三角筋が肺と関係すると言われていますが、筋肉に肺の影響が出た場合のみに異常反応がでます。肺の影響が筋肉に出ていないと、三角筋は肺の異常を示しません。
つまり=ではないということです。
筋肉とつながっていない場合、肺の異常=三角筋ではないということです。頭だけで記憶し学習してしまうと三角筋=肺と覚えてしまうので、その頭が離れなくなってしまう訳です。応用が効かなくなります。一度、そこをリセットして、筋肉と関係した場合、という見方で診てみるとその違いがよくわかります。
経絡と筋肉や臓腑や骨、血管やリンパ等々が絡みながら、身体は動いているのだと言うことを思い知らされます。 頭だけでわかる範囲なんて知れているということを認知する必要があります。
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