側胸部の触診2

この動画を見て頂くと側胸部の緊張は、体幹の回旋運動と直結しているのがわかります。

下部胸椎は右回旋が制限され、上部胸椎では左回旋が制限されているのがわかると思います。 

ところが体幹を屈曲させると下部胸椎の回旋異常は減弱していきます。つまり屈曲と共に捻れが抑えられ、正常な回旋運動に変化してくるということです。

ということは屈曲と回旋には何らかの関係があるということを示しています。


屈曲時の上部胸椎の回旋はやっていませんが、同じ結果になると予測できます。 屈曲位で正常になるということは、通常の位置でお腹に脹りがあるということを意味していると思います。つまり、右季肋部には何らかの緊張があり、脹り感があるということもわかります。

いわゆる右胸脇苦満のような状態にもなっていると考えられます。 肝臓にも影響し、ストレスが今の状態に影響していることは明白です。


緊張しているところを揉んだり叩いたりして緩めなければと考えている人は、このような僅かな動きをしただけで簡単に緊張や動きが変化してしまうということをもっと認識すべきだと思っています。鍼治療は物理療法ではありません。 


本来は、通常の姿勢で左右の回旋が均等に動かなければならないはずです。背中全体を見ても、坐位の安静時では、やや右側屈しているのも動画を見ればわかるはずです。 側胸部の緊張は、肋骨に沿って起こすので、軽く触診すれば異常を瞬時に知ることができます。

それによって動きも予測できるということです。 スポーツをしている子も、このような体幹の使い方が癖になっていると左手が後に触れなくなって体幹の軸がブレます。そして右足に怪我をする可能性がでてきます。右足が上がりにくくなって足を怪我する確率が増えてきます。


漢方で言うところの胸脇苦満は動きに大きな影響を与えます。ということは、この動きを正常化させることが胸脇苦満を解消し、バランスをとる一つの目標にもなる訳です。 この原理がわかっていたら、肋骨部を軽く触れて、様々なことを連想することができるようになります。

動画のような動きをさせる必要はありません。1秒で決定できるでしょう。触診にはリズムが必要です。リズムがない触診は何も生み出しません。 このような地道な確認作業を続けることで、リズムを獲得し触診が自然に上手くなります。


頭で考えたらできません。身体に聴くことです。そしてその確認作業をしっかり落とし込むことです。


続きます。 

御薗治療院

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