推動作用の弱りが胸や背中の上部にあると胸椎の上部の脊椎は片寄りが起こり、その結果上肢にも影響がでることを昨日の投稿でもわかります。
胸椎の上部は、本来、殆ど動かないのが普通です。しかし、背中の凝りや痛みというのは、殆どが肩甲間部です。
この肩甲間部は何故凝りやすいかと言えば、肩甲骨があり、肋骨に阻まれているからと言えます。つまり動きが悪くなりやすいところと言える訳です。
このことから考えても動きが悪いところに症状が出るのだとわかります。推動作用は、そういう「気」の働きをあらわしているので、推動作用の弱っている場所を特定できれば、関節の動きが悪い場所がわかります。
東洋医学は物理的な症状に対して弱いと勘違いしている専門家は一定数いますが、それは見解の相違です。というか、そう思うのは診ているものが狭すぎるということです。
キチンと「気」の推動作用を確認すれば、それがどういう状態であるのか直ぐにわかります。 痛み等の症状のない人でも動かしてみるとわかりますが、胸椎の上部だけを左右に回転させることは、胸椎下部や腰椎を動かすより難しいです。
特に胸椎3番から5番あたりの動きは、肩甲骨の中央あたりなので、特に動きにくく、ここに症状が出る人が殆どなのは臨床をやっていれば普通にわかります。つまり、ここに推動作用の弱りが確認できますし、背中側だけでなく、その対となっている胸骨に推動作用の弱りが出てきます。
逆に言えば、推動作用が胸や肩甲間部で弱っていれば、胸椎上部の動きが悪くなっていることがわかる訳です。この動きと連動し、肩関節を通って肘や手首の動きと連動している様子は、推動作用の弱っている場所を確認していけば普通にわかります。
ここで胸椎上部周辺に推動作用の弱りが起こると上肢のトラブルにつながってくるのは容易に理解できます。また胸椎の上部には心臓や肺があり、「気」の種類である宗気にも影響が出ることも理解できます。 呼吸の機能が正しく行われないと上肢にも影響しつつ、宗気の機能も弱り、循環系の影響も強くなっていくことが予測できます。
この内容からも東洋医学が関節の障害に対して弱い訳ではないとわかります。
0コメント