以前、肘関節の研究をエコーで調べていたことがあります。
一番単純な関節である肘関節のことがわかれば全ての関節の構造がわかるはず!!
というのがその当時の私の考えでした。
肘関節を曲げる。
ただそれだけの動作の中で筋肉内では何が起こっているのかを知りたかったのです。
面白いことを発見しました。
肘を曲げる筋肉は主に上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋と言われています。
上腕骨を起点に考えると肘を曲げるとき肩甲骨と橈骨を継いでいる上腕二頭筋が主な働きをすると思ってました。
しかし、それは間違っていました。
図のように上腕二頭筋を上腕筋がもちあげて肘を曲げるんです。
上腕二頭筋は伸びないように収縮していて弓のように張った状態になるということです。
そこに上腕筋が上腕二頭筋を持ち上げるように働くのです。
弓を引く動作に似ています。
上腕二頭筋は収縮する役目以上に弓の糸の役割を果たしているということです。
また、図にもあるように本来なら倒れた木を持ち上げるのに支点より遠くにある方が強い力がでるはずです。
しかし、支点から離れていない根本付近についている。
根本についている意味は力を出すだけではなく関節を制御しようとした。
ということが言えると思います。
力を出す為だけならこんな構造にはなりません。
そして支点である肘関節は動いて働きます。
上腕筋の方が上腕二頭筋より早く収縮が起こって上腕二頭筋を持ち上げつつ支点を変えていきます。
つまり肩関節も関与している言えます。
よく考えたらその方が効率いいですよね。
制御もできる。
人間の身体はゆっくりも早くも動く関節を作ることができる構造になっているということです。
しかし、橈骨を持ち上げるのが上腕二頭筋だと橈骨の根本に腱がくっついているのでゆっくりの制御がしにくい。
ということです。
直接引き上げる訳ですから当然ですよね。
全ての関節はゆっくり動かせます。
つまり肘関節の構造と同じ働きがある訳です。
様々な筋肉は深層と浅層からなっています。
つまり深層の筋肉が浅層の筋肉に働きかけてゆっくりの動作を可能にする訳です。
一を知って十を知るとはこういうことですね。
だから基礎が大事です。
基礎の研究なくして身体の構造はわからない。
単純な関節の構造を知れば複雑な関節の構造も同じであることが容易にわかります。
もう10年以上前に発見したことです。
しかし、これに気づいている人っているんだろうか?
って思ってます。
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