昨日は、少陽に罹患して肩の痛みを起こす症例をご紹介しました。
実は三角筋に表現されていた異常反応は氷山の一角です。
それが全てではありません。
普通、肩の痛みなら三角筋が問題と誰でも思うでしょう。
しかし、それだけではないのが肩関節の面白いところです。
動かさなければなりませんが、下手に動かすと余計に痛みが増悪します。
うまく慎重に動かすことが何よりも重要なのでが治療して痛みが少なくなると必要以上に動かしてしまうこともあります。
痛みって不思議なもので強いと慎重になります。
痛みが弱いと乱雑に動かしてしまいます。
身体が強い痛みで制御をかける訳です。
治療をして翌日に痛みがでました。
ということがあります。
動かし過ぎても動かなさすぎても痛みがでてしまうのです。
動きやすくなると慎重に動かさなくなります。
それで余計に痛みが出ることもあります。
この方の場合、治療の日から痛み止めを飲むことなくぐっすり寝られたそうで感謝されました。
前踞筋の一部も大胸筋の外側(肩より)の一部も異常を起こしていました。
肩関節は肩甲骨の運動と連動しています。
本来肩関節の外転角度は30度ぐらいでしょう。
そこで肩甲骨の運動が関与します。
肩甲骨の運動は肩甲胸郭関節の運動ということになります。
つまり肋骨に付着する筋肉にも影響が出るということを意味しています。
大胸筋は肩と胸骨をつなぐ筋肉ですが、その間に肋骨がありますので当然影響を受けます。
もちろん肋骨の間にある肋間筋も影響を受けます。
外肋間筋の側胸部前側の一部が影響を受けていました。
内肋間筋の影響は薄くある程度です。
同じように肋骨についている小胸筋は全く影響を受けていませんでした。
側胸部の前側の一部が影響を受けているということがよくわかります。
この方の場合、通常の肩関節の痛みで起こる肩の前方の異常(上腕二頭筋の長頭腱あたり)ではなく肋骨の異常が強くでていたということです。
左より右の方が強くあらわれていましたが調整するとそれも解消しました。
身体って詳細に診ていくと詳細な情報がでてきますね。
解剖的なことも含めてイメージングしながら調整することが重要です。
0コメント