骨膜とは、骨の表面を被う強靱な結合組織性の膜ということです。
身体にとって膜というのは他の組織とわける為の道具ということだと思います。
そして膜があることで摩擦抵抗を減らしているとも考えられますし、筋肉や靭帯との融合をうまく行っているという機能もあるでしょう。
骨と筋肉の結合の媒介をしているとも考えられます。
橋渡しですね。
ただ骨膜だけが損傷を受けるということは普通は考えにくい。
しかし、骨膜が主役になる反応というのがあります。
両手が痺れると訴えていた方でしたが、何が原因とはわかりません。
最初は痛みで痛みがなくなってからシビレが強くなったようです。
仙骨の骨膜に異常反応があり、臀部や座骨、大腿後内側はパンパンになっていました。
当然ですが、立位で膝を伸展したまま股関節伸展内転運動は問題があります。
腰痛もあったとのことだったので、このあたりから攻めていくことにしました。
仙骨の骨膜に関連する穴を一箇所刺激すると瞬間的に立位での臀部の緊張や大腿内側の圧痛は消失しました。
そして、手の握力まで回復してきました。
本人は「なにこれ~」っておっしゃってましたが、それぐらい辛い症状だったんだと思います。
足の調整を手で行い、足が柔らかくなったら手の握力が戻ってきたなんて信じられませんよね。
でも事実です。
この反応があると仙骨と頭蓋骨にも問題がでます。
運動機能にも支障をきたし、神経にも影響がでていたんだと思います。
自立神経系の異常にもつながっていきますので、睡眠障害や食欲のムラなどがないかを聞いてみました。
するとやはりありました。
つまり自立神経系にも影響を与えていた反応だったということです。
この反応が良くなると自立神経の機能も回復して睡眠等も良くなる可能性があります。
骨膜の異常反応が、そんなところまで影響を及ぼしているとは私も思いませんでした。
こういう現象があきらかになってくると様々な症状はやはり原因があって起こるんだろうなと思います。
ただ、その原因はまた違う原因があるはずです。
どこまでいっても人間の身体は原因が一つということはありえない。
本当の原因は生きていることです。
死んでいれば症状はありません。
死人に口なしとは良く言ったものです。
原因探しをしても生きている以上必ず生きるということにつながります。
ある程度の関連をもった原因は見つかっても本当の原因なんて見つけられるはずがありません。
だから体質改善をするとかもあり得ない。
それでも自分の弱いところを知って、それを補うことはできます。
不完全ながらも生活に支障をきたさない状態でうまく生きていくということが大事です。
それを体質改善というならそうかもわかりませんが、本当の意味で体質が変わることは一生ありません。
顏が変わるのと同じですからね。
顏が急に変わったらおかしいでしょ?
その人を判別することもできないんですからね。
そりゃ~困りますよ。
でも顏も年と共に洗練されてくることもありますからね。
年の取り方が顏にあらわれてくることもありますからね。
治療はこの現象と同じです。
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