仕事で手首を痛めた症例を解説(その2)

鍼灸師は触診ができます。

基本的な技術です。

そして一つの異常のつながりを望診します。

これも基本的な技術です。


手首の異常部位がわかれば、それと関連する部分をたどっていくことができます。

手首と関連する場所を目でおいかければ(望診)関連系は全て描出されます。

この例の場合、手首の橈骨の橈側の異常は、上腕を通って、肩胸に入りお腹を通って、大腿前側中央よりやや内側を通って、下腿前内側(脛骨上)を通る。

という経路です。

大腿前内側の異常もあるので、股関節を屈曲内転させると患側は健側より曲げにくいことがわかります。これが下腿前内側まで続きます。

動画では行っていませんが左足首は右足首より伸展内転(内返しせず)を行うのが不得意です。

また膝関節を固定したまま、足で円を描く動作が不得意です。

左の腹筋を使うのも不得意です。


左手首に右手を触れるとこれらの関連系が減弱します。

しかし、あくまでも減弱であって消失ではありません。

それでも手を当てると手首の動きが瞬間的に良くなっているのが動画で見てもわかるはずです。

このような例の場合、手首に刺激をしてもある一定の効果があるという例です。

ただ、絶対にそれだけでは、スッキリした状態にはなりません。


きっとこれが圧痛のあるところに刺激をして良くなったと言っている状態なんだと思います。

でも本当の主役は全く違うところにあります。

そのことを無視しています。

それは明日の動画で紹介します。(つづく)

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