昨日の話の続きですが、原因追求というのは西洋医学でももちろん起こります。
例えば抗生物質
抗生物質は確かに効果があります。たぶんそれを否定する人は、薬の効能を全く知らないか変な思想の持ち主でしょう。
みんな経験的にもそれは周知の事実です。
抗生物質の発達で西洋医学が大きく躍進したと言っても過言ではないぐらい重要な薬と言えます。
しかし、菌を殺すのに抗生物質で100%消えるか?
と言われれば100%はあり得ない。
と言わなければなりません。
例えば炎症があり、菌が検出されて、それに対する抗生物質を飲みました。
症状が80%はなくなりました。
しかし20%は残っているのが普通です。
この状態で同じ処方の抗生物質で効果があるでしょうか?
例えば抗生物質を変えたとしても本当にその菌だけが問題だと言えるでしょうか?
臨床を行っているとそういう場面にぶち当たることが沢山あると思います。
それでも抗生物質を与え続けます。
それしか選択枝がないからなのか考えないからなのか?
よくわかりません。
でも同じことをしてしまいます。
80%効果があると魔法の薬だと信じ込んでしまって、思考停止してしまうのではないかと思えます。
人間の身体に正解は一つではない。
だから保険診療の問題点もこういうところにあるのだと思います。
統計による治療の問題点もこれです。
それだけが正解だと信じ込んでしまうから正解が正しいと信じ込んでいるのだろうと思います。
テストで100点とることが正しいと考えているとこういう現象が起こる訳です。
人の身体は個々人によって違います。
違うのが当たり前なのに統計の結果が正しいと考え保険の仕組みを組み立てれば当然そういう問題が浮き彫りになります。
統計の結果を利用して、その後のケアもできる医療が必要だろうと思います。
急性期の時には投薬し、その後、体力を温存させるあらゆる手を使えば、もっともっと快適に過ごせるのではないかと思います。
もちろん、快適に生活することと寿命が伸びることとは違います。
寿命に焦点を当てるのではなく、如何に人間の尊厳を失わずに生活できるかということだと思います。
運動をすれば寿命が何時間伸びるなんていう馬鹿な考えには決してならないでしょうね。
こういう統計の結果を広めること自体が新しい病を作っているということに気づかないのは恐ろしいなと思います。
頭でしか物事を考えない人がトップに立ってそれを広めると世の中が混乱する元になります。
それを異常だと思わない人が増えるのが怖いです。
普通に考え、普通に人の身体を診ていたら誰でもわかることなんだと思うのですが・・・。
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