両側の背中の痛み

両側の背中の痛みが主訴のかたですが、問題は左の首のリンパ系にありました。 

リンパ管というのは全身に張り巡らされています。大きなリンパ管は、 首や腋窩、胸管、鼠径部にありますが、それだけではありません。

表皮にも無数にありますので、全身と繋がっています。 大きなリンパが腫れれば、それが全身に影響を与えることは普通に考えられます。しかし、触診しても、普通ではわからない程度です。左右比較してわかります。 

それが筋肉にも影響を与えていたという状態です。


筋肉というのは、皮膚が緊張しても内臓や骨に異常があっても必ずなんらかの緊張を起こします。つまり筋肉や皮膚の状態を観察するというのは、身体の状態を明確に把握するひとつの方法になります。 


東洋医学の基本はそこです。様々な理論がありますが、まずは触診し、どのような緊張があるかを把握することが基本となります。そこを飛ばしては何も語れません。 だからそれを観察する技術をあげることが何よりも重要ということです。


両側の背中の痛みと言っても、左側が主で右側はそれに付随するものです。背中を観察してみると、胸椎の3番4番あたりくらいが左側で緊張し、右側は胸椎の7番あたりで緊張しています。そして、更に左の腰椎の1番あたりぐらいでも緊張があります。 


単なる緊張を見つけるだけではなく、それはどのように動いているのかということを知る必要があります。これは患者さんとのコミュニケーションに必要です。

単純に回旋運動してもわかりません。なぜなら動きやすい関節で動いてしまうので見た目には回旋異常があるとはわかりません。


関節の異常と皮膚は常につながっているので、皮膚を観察することは関節の状態を知ることになります。この状態は筋力も低下している状態と言えます。つまり左伸展回旋異常がでて筋力低下がみられるということです。

筋力検査で異常を感知する場所は必ず皮膚緊張がでています。  内臓では、肺や心臓の循環系に異常がある可能性があります。これは胸椎3番の特徴です。どの関節が動きが悪いかということで、内臓の異常をある程度察知することができます。 


もちろんそれは、本当に悪くなる前の段階かも分かりません。実際に悪いかも分かりません。 しかし、異常があることには違いがありません。まずは、機能的な異常から、器質的な異常に変化していくわけですから、機能的な異常をよく観察することは、器質的な異常を観察することにつながります。 


医学的な普通の検査を行って異常が見つからなくても、機能的な観察をすると必ず異常は見つかります。その異常を正すと原因不明の症状が改善する訳です。

このような観察の仕方を駆使することで問題を解決していくのが特長です。 左の首のリンパ管を調整するために左肘の内側に刺鍼しました。

原因をある程度突き止め、それを調整していくことでできるだけ少ない刺激で最大の効果を得ることができるのが特長です。 


もちろん、それで全ての問題が解決する訳ではありません。体質や生活環境、精神状態等々色んな問題が関係して様々な症状が起こっているのが人間ですからね。


御薗治療院

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