昨日の続きです。
自分は嘘を言わないという人は、身体の嘘に気づいてない人です。
身体は沢山の嘘を言います。
自分の思い通りには動いてない訳です。
だから自分は正直に生きている!!
そんなことは絶対にありえません。
そんな人程、嘘をついていることに気づいていない。
身体が嘘つきなのに心が嘘を言わないはずがない。
体幹を動かすことができて、はじめて手足が体幹と連動して動くようになると書きました。
それができるかどうかをチェックしないで、いきなり体幹トレーニングを行うと代償運動を起こして確実に調子が悪くなります。
これが体幹トレーニングだと騙されるからです。つまり教えてくれる人も深くはわかっていない。
そのことに誰も気づかない。
高齢者のみならず、若い人でも体幹を上手く使えない人ならそうなります。上腕の筋肉がやたら発達した人などは、体幹の柔軟性がなくなります。
どこかが異常に強くなれば、どこかが弱くなるのは当たり前です。身体はバラバラに存在している訳じゃありませんからね。当然です。
つまり、無駄なウェイトトレーニングをして上腕や肩周囲の筋肉だけが体幹に比べて異常に発達した人も同様の現象を起こします。
ウェイトトレーニングを下手にし過ぎると運動能力が下がるというのは、こういうことなんだと理解出来ます。 体幹から手足にスムーズに力を伝えることができてこそ、身体全体のスムーズな動きを作れるのです。
武術は、その動きを最小限にして、最大の効果を得るといいます。そして、動きを悟られないようにタメを作らないで動こうとします。これが相手を騙す動作になり、反応できなくなった相手を制圧する訳です。 これも訓練の賜でできることです。決して表面上を真似しただけで出来ることではありません。ましてや実践では上段者でないと怪我するのは当たり前です。
うまくやれば力は全く使わないでできますけどね。条件はうまくやればです。
手足の力だけを鍛えても駄目、体幹の力だけを使っても駄目です。そして一番大事なことは、何を目的にしているかです。日常生活を楽にしようとだけ考えている人に古武術の動きや余計な筋肉をつける必要は全くない訳です。
もちろん、それを目標にする人にとっては重要なことだと思いますが、臨床の現場では、そんな人もたまには来ますが、殆どは現状を少し良くしたいと考えている人が大半です。
そんな人に目的以上の能力をつけることは、むしろ逆効果です。
そのことを考えないで体幹のトレーニングだ~。
古武術的動きだ~。
いやウェイトトレーニングだ~。
と言ってもはじまらないのです。
原点に帰る必要があります。
簡単な動きのみで理解でき、日常生活に役立ちつつ症状を緩和する。そんな指導することを心がけています。自分でもまだまだ自分自身の身体のことも知らないところが一杯あるので、それを追求しています。 きっとこれに終わりはないでしょう。
指導者は、そういう姿勢が絶対に必要だと思っています。
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