日曜のセミナーで鍼灸の四診のことをお話しましたが、以前濱井先生が、投稿して下さった内容を掲載させて頂きます。
続きます
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鍼灸医学の診断法
そこで今更ですが、中村先生というか御薗治療院の治療法を、今年は1年間シリーズにしながら具体的に説明してみたいと思いました。
その前に、西洋医学と東洋医学の診断方法の違いを説明してみます。 西洋医学では病気を判断する手段は、患者さんが訴える症状を聞く、「問診」と 血液検査などの「生化学検査」やCTやMRIなどの「画像診断」などですが、東洋医学では「望診」「問診」「聞診」「切診」の4つの方法があります。
「望診」は顔の色や目、皮膚の色、動作などを含む様々な身体からの情報を、自分の目で見て予測をつけるのです。ですからとても大切な診断方法なので、ヨーロッパやアメリカでは、盲人は鍼灸師にはなれないのです。
医者と同じで視力を失えばその時点で免許もなくなるのです。ですが、日本は江戸時代に杉山和一という有能な鍼医がいたのですが、彼は途中で視力を失いました。 しかし、創意工夫を凝らし、盲人でも打てる鍼管を編み出し、更に盲人に広く鍼灸という職業を開放し、現在に至ったのです。
フランスでは医師の免許を取得してからでないと鍼灸師にはなれません。日本では座頭一に代表されるような、盲人の職業というレッテルを長い間貼られてしまったことはとても残念なんことです。
その「望診」という目で見て診断する方法の中に「舌診」があります。舌の形態や色、苔のつき具合やその苔の色と厚さなどで、疾病の予後を決めたり、病気の性質を見極めたりします。 舌につく苔は西洋医学的にみてもとても深刻です。
舌苔に繁殖する細菌は「毒ガス」に匹敵するほどの硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどが発生し、口臭となる揮発性硫黄化合物(VSC)を生成する、と日本歯科大学の八重垣健主任教授らが発表しているのです。そして、その舌苔が、不眠や様々な慢性病、そして癌の原因にすらなるといっているのは興味深い話です。
「聞診」は主に、患者さんの呼吸の仕方やしゃべる声のように身体から発するあらゆる音を注意深く聞きます。あるいは咳の出方や嘔吐の仕方、しゃっくりやあくび、くしゃみやげっぷ、おまけにいびきなども含まれるのです。ですから、私たちは置鍼してベッドで寝ている患者さんの鼾の音を注意深く聞いているのです。 風邪をひいて痰や鼻汁の出方などを細かく聞かれた患者さんなどは、これで何故質問されるのか意味がわかってもらえたと思います。
「問診」は殆ど西洋医学と同じですが、大きく違うところは飲食や住居、仕事の内容なども聞かれることだと思います。あるいは普段でも汗をどのようにかいているかなどは、当院ではよく質問されると思うのです。
更に尿や便通、睡眠、月経、痛みがあっても、その痛み方を患者さんがどう表現するかも大切な診断基準となります。
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確かに口腔内の異常は様々な症状に変化していくと実感します。
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