以前は幻暈や肩凝り等々の不定愁訴で、通院されていた方ですが、時々、幻暈がきそうな感じの時に来てくれます。
生きている訳ですから、完璧な状態が続くということはありえません。だから時々調整に来てくれます。完璧な状態を願っている人は、一生調子が良くなることはありません。
ねらい所は、肺
血管系とリンパ系の複合反応で鼻咽腔です。
鼻咽腔は様々な症状と関連します。炎症の起こりやすいところだと思います。
鼻咽腔にはエウスタキオ管(中耳の鼓室と咽頭腔とを結ぶ通気管)がつながっています。
耳が詰まって聞こえにくくなったりするのもこの管が問題とされますが、この管そのものというより鼻咽腔の炎症反応が大元になっていることが多いように思います。
ここを認識し、調整すると、左腕から肩が楽になったと言われました。数秒です。
リンパ管系を通って、左腕に影響があるんだなとわかります。
鼻咽腔の異常と言っても症状は様々です。
神経系としては、鼻咽腔の後には延髄や橋があります。
延髄は、嘔吐、嚥下、唾液、呼吸および循環、消化の中枢を含み、 生命維持に不可欠な機能を担っています。自律神経の神経核もあります。
鼻咽腔の異常は、これらの機能にも影響を与えるはずです。
だから、不定愁訴は必ず関係あると言っても過言ではないでしょう。
自律神経にも影響を与えるので、当然生きていく上で重要な睡眠にも影響します。
当然首や肩の凝りにも影響する訳ですから、首肩が緊張すれば、睡眠にも影響しますし、自律神経の作用にも影響します。
鼻咽腔から腕や首肩の緊張にもなりますが、首肩の緊張や遠いところでは足からの影響で鼻咽腔の異常がでることも多々あります。
こういう現象を昔の人達は経絡現象と呼んだのでしょうね。
この方の場合、患側の腎経で奇経治療適応、健側の心包経の経絡治療適応です。
経絡からのアプローチなら、患側のKI2(然谷)、健側のPC3(曲沢)あたりで何とかなる感じです。
経絡的な使い方なら、患側のKI2(然谷)を補、健側のPC3(曲沢)を瀉で良いのではないかと思います。
経絡が確認できて、はじめて脉診は可能になります。
最初から脉診を覚えようと思っても、できるはずがありません。経絡も理解していないのに脉診なんて絶対にできるはずがない。当たり前だと思うのですが、なぜか脉診を最優先させる先生がいるのもおかしな話しです。
ベテランの先生でも、経絡やツボそのものを確認できずに脉診、脉診と言っている人がいるんじゃないですかね。
実際に経絡は、見えなければ扱うことはできないはずです。経絡を見る努力からはじめなければならないのに、そのことにはあまり触れません。
経絡を調えると言いますが、経絡が見えてないのに調えられるはずがないと思うのはへそ曲がりの私ぐらいかなぁ~。
写真は別人です。
大腸経と言っても様々な変化をしています。異常経絡は、かなり幅があり、その幅が経筋とつながっています。経筋や経絡、奇経、経別は単独で存在しているのではありません。何が色濃いのかがわからなければ何を瀉して、何を補せば良いのかもわかりません。
この例は、かなり大腸経に幅のある例です。
やっぱり基礎が大事です。
それと一緒のように、身体の基礎作りをしていかないと痛い時だけ治療にきても意味はありません。
それと同時にセルフケアをしていないとやはり意味がありません。
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