東京セミナーは、かなり専門の方も参加されていました。
そういう専門家を唸らせるのは、とっても楽しい!!
OTとは作業療法士の略です。
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『感覚統合すべきは患者さんじゃなく私だ!』
【専門的な内容が含まれますので、興味のない方はスルーしてください(専門用語の詳細は省略しています)】
2019年8月25日(日曜日)
先月の伊勢に引き続き、中村先生の東京セミナーに参加させて頂きました。
臨床的にはこれから復習を重ねていくのですが、私の頭には「①常識を疑え」「②(身体が)そうしたいのは何故か(考えろ)」というメッセージが深く刺さっておりまして、頭の中をいろんな事がぐるぐる巡っております。
私は基本的に一度で人様の言ったこと(習ったこと)を信じるタイプではないので、①は本能的に出来ていると思い込んでいました。
で、②のメッセージが深く入った瞬間に直感的に「やばい!」と思ったのは脳卒中の患者さんの身体の見方でした。
従来の脳卒中で麻痺の出た患者さんに対するリハビリは共同運動パターンから分離運動ができる事が一つのテーマとなるため、運動療法時には共同運動パターンに陥らないようにして、分離運動を促していくということを行います。
ただ、時間の経過と共に廃用性での筋力低下も当然起こるわけで、病院入院期間中に麻痺の回復(促通)を優先させるか、(不格好でも良いから)実際に出来る事を獲得して貰う事を優先するかという選択を迫られる事が多々あります。
どのような選択をするかはセラピスト自身の考え方や患者さんのニーズによって異なるのですが、患者さんの回復の勢いと入院期間が一致しないこともありますし、(入院期限の発症から6ヶ月という日数以降も回復可能です。)
『この問題だけでも、大きく変わってきますよね』
在宅においては廃用との戦いのウェイトがかなりありますから、ファシリテートにこだわっていると見落とすものも出てきます。
患者さんがどの病期にあるかで、ベストな方法は変わるのですが、机上の空論(具体的な患者さんを介さずに)で治療法を語ると筋トレ論とファシリテート論でぶつかることになるわけです。
で、この共同運動パターンですが脳卒中に伴い脳細胞がダメージを受けて、大脳新皮質がそれまで抑制していた旧皮質の働き、つまり原始的な動きが出現したものと説明されます。
原始的な動きというのは例えば馬が走る時に前足が前に出るときは膝が伸び、手前に引いた時には地面をえぐるように動くあの動きです。
これを人間は大脳新皮質が抑制することで、複雑な動きができるとされています。 つまり、大脳新皮質は意識、旧皮質は無意識とも説明されるのです。
長らく私はそれを素直に信じ、共同運動パターンは無意識に出るものだから、抑制系を促通しないと出現を抑えることはできないと思っていました。
この前の日曜日まで。
そしてズバーンっと刺さった2つのキーワードにより、共同運動パターンや痙性を出したいと(身体が)思う理由はなんだろう。
快適ではないはずの運動を出さざるを得ないのは何故だろう。
ここを理解しアプローチしたら、旧皮質にだってアプローチできるのではないか???????
そう思い立って翌日8年来の患者さんで年々荷重時のひきつれ感と痛みが増している方にご自宅にあったセロハンテープを頂戴してアプローチしたところ、痛みが消え、麻痺側の可動域は上がり、歩容も改善したのです。
いつもは鍼灸とROMをやって、ファシリテーションと荷重練習して改善が見られていたのに、5ミリ幅のセロハンテープ1本に負けるとは!!!!!!
勉強会の振り返りをフルでするととんでもなく長くなりそうでしたので(すでに十分長い)、今心に刺さっているものだけ備忘録として記載しました。
そして是非ピンと来た方は中村先生の勉強会にご参加ください。
個人的に大木先生や巽先生との異種格闘技戦が見たい!!!!
と勝手に思っています。(だって同じ匂いがするんですもの)
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いっや~流石、医師と常に情報交換しているOT&鍼灸師、文章にすると難しいように思うかもわかりませんが、基本は代償運動の話しです。
旧皮質=無意識の代償運動の話しです。錐体外路系の話しかなぁ~。
歩行を考えてする人はありません。身体が傾けば、それを各関節、各筋肉が自動的に調整し身体を真っ直ぐに保とうとする訳ですが、それを考えてすることはできません。
歩行は生まれてから直ぐにできる人はいません。
つまり覚えたのです。
覚えたことを忘れているだけです。
決して人間本来の能力ではなく覚えたのです。
それを覚えるまでに幾度となくトライアンドエラーがあるのですが、純粋なのは、目の前にあるものを取って補食したい等の欲求からくる心の情動です。
全ては心の情動がカギを握っています。
私はそれを真我と呼んでいます。
そして、そこには必ず記憶がある。
通常の記憶ではなく、幾度となく失敗することでしか得られない体性感覚です。
この記憶は、一度できるようになってしまったら、自転車に乗るのと全く同じで忘れない記憶です。
だから変な記憶を残すと一生それが続く訳です。
覚えたら忘れないから記憶した時のことを忘れます。
だから、意識して歩行する人はいないのです。
これが錐体外路系の話しかなと思います。
でもここを分けること自体がおかしな話しになります。錐体路系と錐体外路系は常に連絡しあっています。本来分けること自体無意味です。
これをつなげて呼び起こすのが私の方法とも言えます。
西洋医学の抜けている所は、心の情動から起こりトライアンドエラーを繰り返して覚えた、この記憶をなおざりに考えているところです。
あれだけ脳のことを調べているのに、その単純なことに目をつぶって、古い学問と不都合がないように説明しようとするから訳がわからなくなるのです。
だから学者は、どうしようもない馬鹿になるのです。
記憶は運動ではありませんが、運動に直結しています。
そしてその原動力は情動です。
それならば、情動を使って、その記憶を呼び覚まさなければなりません。
脳卒中の場合なら、新しく作りなおさなければなりません。
一から作りなおす作業は、人を選びます。
年齢にもよると思いますし、その人の欲求によっても大きく違います。
だから、効果が同じにはなりえない。
最初からあきらめている人に治療は不可能です。
それは、単なる腰痛でも肩凝りでも全く同じです。
そこを勘違いしている治療家は多いです。
揺れる身体を元に戻せるのは、身体を真っ直ぐに保つ=解剖学的肢位に近づけようとする。
ということでしょう。つまり解剖学的肢位は、静止状態で重力に適合する形でなくてはならない。
それが物理法則です。
一番安定した状態を身体と心が理解していなければならないということです。しかし、それを殆どの人は知りません。もしかすると一番知らないのは術者かもわかりません。
それを理解しないで運動はあり得ないのです。
術者がこれを体験していないから無意味なものになってしまうのです。
静止が不安定なら、まず静止を変えなければ運動はありえません。
なぜなら元に戻れないからです。
動かすことは静止からの移動です。
その静止が重力に抵抗する形なら、どこまでいっても元に戻ることはありません。
それが癖ということになります。
動いたものは元に戻る。
しかし、それができない。
その能力がない。
低下している。
その典型例が脳卒中の後遺症です。
脳卒中の後遺症の人は、伸ばした手を元に戻せない。曲げた手を伸ばせない。
あきらかに情報異常があるのであって、筋肉や関節に問題があるのではありません。
つまり、いわゆるリハビリで他動的に運動させる意味は、それ程大きくないと言えます。
私は、これが全ての病気の元だという考えで身体を考えてきました。
別に麻痺した人だけの話ではありません。運動障害を起こしたバリバリのスポーツ選手にもこれは簡単に起こります。
日常生活を普通にしている人でも起こります。
それを知るカギが器用さなのです。
私の言う「器用さ」の話しは、それを改善する一つのキッカケにもなると思います。
動かさずに動くというのもそのキッカケになります。
筋力検査は、この意味がわかっていなければ、何の意味もありません。
信号を補助するのに5mm幅のテープでもOKですし、鍼でもOKです。意識だけでも十分です。信号系ですから、どんな手技でもOKです。
やり方なんて全く関係ありません。
しかし、頭の固い人は、やり方に拘ります。
だからエビデンスは無意味だと言える訳です。
条件が多すぎるので、同じケースに出会うことそのものがないからです。
もちろん平均値はとれるでしょう。
しかし、そんなものは目の前にいるあなたと関わっている患者の前では何の役にもたちません。
この理解をしているかどうかで大きな違いがでてきます。
被検者に対するアプローチだけで問題は解決する程臨床は甘い訳ではなく、術者の意識レベルや体性感覚とその理解度によって大きく変化してくるのが治療だからです。
そして、その術者の世界観によっても大きく違います。
だから治療は一期一会なのです。
術者がそれを知っていれば、術者の存在そのものの存在が、それを伝搬できる存在になります。
なぜなら信号というのは、物理的な力ではなく、情報の伝搬力です。
伝搬しない信号は無意味であり、何の力も持ちません。
その信号系にマッチする刺激なら術者の意図をくみ取り簡単に良くなっていくのです。
これを彼女自身が患者さんを通して実感してもらえたというのは、私にとって最高の喜びです。
なぜなら私の魂そのものが彼女に伝搬し、それを患者さんに伝えたということだかです。
今回の真のミッションは沢山の専門家がいる中で、それを証明してみせたかったのです。
新しい未来が見えてきました。
OTで鍼灸師の方が、ここまで考え抜いて刺激した刺激は、ただのテープではない。
信号を含んだテープです。
つまり彼女とその患者さんにしかできないテープです。
どうですか?
そう考えたら如何にエビデンスがアホらしいことかがわかると思います。
そして、意識は力だということを彼女自身が証明してくれたということです。
二回目の参加で、ここまで理解できるなんて、ホントに頭の良い方だな~と感心致します。
頭だけでなく、彼女の魂が実感することを求めていて、その魂が私の魂と共鳴した訳です。
つまり情動が彼女の行動を変えた訳です。
これが本当の伝搬です。
この方法が多くの人に広まることより、確実にこういう頭の良い方に広まることを私は願っています。量より質です。
彼女が、これからも、もっともっと発展していくのは間違いありません。まだまだ若い方なので、伸びしろが私とは全然違います。
この話しに興味を持った方は、是非勉強会に来て下さい。
この話しを聞いても興味を持たない人は来なくていいし、来ても意味がわからない。
やり方を教える訳じゃないから、簡単に次の日にできるようになるような技術ではありません。
しかし、これを眠っているあなたの魂が理解したら、次の日から治療が劇的に根底から変わるということです。
私はそれに何の疑いもありません。
だからあなた自身で考え、感じ、実行すれば、簡単に変えることができます。
自分自身を変えない限り未来はありません。
あなたの直感が動いたら来て下さい。
間違いなく新しい景色が見えてくると思います。
私の説明も、もの凄い長文になってしまいました。(笑)
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