慢性炎症についてです。
慢性炎症とはわずかな炎症反応が長期間続き、それが引き金になって様々な症状を起こす状態です。
最近、よく注目されているのは糖尿病による慢性炎症でしょう。血糖値が高くなると慢性的に炎症を起こしやすい身体になってしまうので、注目されているのだと思います。
しかし、身体をよく観察してみると、粘膜や皮膚に、その起源があることが多いように思います。
特に咽頭や鼻腔では常時、慢性的な炎症が起こっています。だからこそ、咽頭や鼻腔の粘膜とつながっている肺や胃腸の問題を重視する必要がある訳です。腸内の細菌の状態を調えることは慢性炎症を起こしにくくするということが最近言われてきている訳です。
慢性炎症の怖いところは、本人がほとんど気が付かないことにあります。なぜなら咽頭や鼻腔の粘膜が異常だとは思わないからです。
これが慢性炎症の一番怖いところだと言えます。慢性炎症が進むと関節の破壊が起こりやすくなります。
筋肉や靭帯、軟骨等が慢性炎症によって破壊されると破壊の過程で痛みに変わります。このような状況が長く続くと関節そのものが変形し、動きにくくなったりする訳です。これはあきらかに関節の問題ではありません。
殆どの場合、この時点で医者に行ったりする訳です。しかし、関節には問題がないため関節をいくら治療しても良くなることはありません。
これが慢性炎症の一番怖いところと言えますし、手遅れになりやすいところとも言えます。
また、慢性炎症は治癒過程でもよく起こります。
例えば関節の痛みが調子良くなっていたのに急に痛みが復活し、良くならないような場合です。そのような人の関節を観察すると、関節の腫れはなく、順調良く治っていることが殆どです。
鼻腔や咽頭の風邪反応によって一時的に関節の痛みが強くなるのですが、痛みが復活することで落胆し、動かなくなり関節破壊を余計にすすめてしまうことがあります。
それに気付かずに関節が悪いと言って痛い部分に湿布を貼ったり、マッサージをしたりすると、それが余計な刺激となり、逆に治りを悪くしている場合がよくあります。
物事には順番があります。何を先に治し、次に何を治すのか?
これはとても重要なことなのですが、行き当たりばったりの治療をするから順番が逆になり症状を進行させてしまうという訳です。
慢性炎症の仕組みをわかっていないと、こういうことになる可能性があります。慢性的に関節の痛みがある人は、鼻腔や咽頭を調整することで関節の痛みが楽になったりしますので、それを理解している人に診てもらうことが重要です。
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