受講者の発展

勉強会を開催して、回を重ねるごとに、うまくなってきているのは凄いです。

今回も手をとって、指導させて頂きました。

手をとるとホントにやろうとしていることもよくわかります。

「もっと手の力を抜いて・・・」

「もっと小さく」

「もっとゆっくり」


言葉ではわかっていても、想像以上に小さかったり、ゆっくりだったしたみたいです。

大事なことは、動かすことではありません。

感じることです。


★★★★★★★★★★★★★★★★★

夏以来の御園治療院中村先生の勉強会では、新しく参加された先生もあり、場所もいつもと違うところで、新鮮な感じであった。 

「すみません。園ではなく薗です。(笑)」

まず治療することは、認識がとても大切である。 

術者と患者が双方で認識を共有できると治療は上手く行く。 


私の場合、治療ではないが同じように認識を共有すれば痛みの改善など、何かしらの変化を与えることができる。認識が詳細になればそれだけ、大きな変化を起こすことが可能になるので、その訓練をしていきたいと思う。 

「身体の動きを指導されているので、そういう方に応用してもらえなければ、その技術は根本的なものとは言えないというのが私の信念です。鍼灸の中だけに拘っていては絶対に未来はないと思ってます」


中村先生の筋肉の動きに関する考察は以前からすごいなと思っていたが、今回もまた新たな視点をいただけた。 筋肉は動きを(関節を)支持するためにも働く。縮めるだけではない。 高齢者が挙げた腕を下ろせない理由を考えると、なるほどと納得させられる。 

「なぜ力を抜けないのかを観察し、どうすれば力を抜けるのかを観察することで答えはでますよね」


力が抜けないのではなく、元に戻すエネルギーがない。 力が抜けないというのは、力が入らないのと同義なのである。 だがゆっくり戻せば戻せるようになる。 ただ、このゆっくりのコツがある。 そこには、気が通らなければ上手くいかない。 だから言葉で聞くだけと、実際に見るのではその質が違ってくる。 

「ここが一番大事ですよね。これだけは手ほどきしないとわからないです」


本質を知るには、実際に目の前でみて感じなければわからない。 これが感覚の蓄積である。 その場にいることでエネルギーやら何かが体や脳に響く。そういう感覚を体得することがこの勉強会でできる大きな特徴である。 

「素晴らしい!! そこなんですよ。そこ!!」


筋紡錘などへの刺激のお話もありましたが、所々頭の良い先生方に確認したり、調べたことだけど忘れたりする中村先生らしさが随所に出て、とても面白い。 私も共感しますが、もう今となっては難しいことは覚えなくてもいいかなと考えている。 

現象を覚えていれば、学術的なことは忘れてもいい。 解剖学も知っていていいけど、現場で使うイメージが出来ていれば過剰に知らなくてもいいと思う。 試験をやるわけではないので、その方が感覚を高めやすいと感じている。 知識が邪魔をすると前から中村先生がおっしゃっていることがよくわかる。 

「すぐ忘れてしまいますからね。でも真剣なんですけどね~(^^;」


体をやわらかく動かすには筋がやわらかくなっていて、それには動いていないところを動かすこと。 上手く動かせない場合は、小さくゆっくり注意深く動かして、それでも上手くいかない場合は、動いていないようで動いている静なる動で意識を送ればいいのである。 

その結果、動ける体というのがつくられる。 ゆっくり動かす、さらに静止する。 これを肝に銘じて訓練していきたい。 

「最初、これはかなり訓練がいります。というか集中力がいりますね。それだけでヘトヘトに疲れることもありますからね。ある意味下手な筋トレより疲れるかもしれませんね」


肩甲骨を他動的に動かすデモの機会があったが、小さく軽くやったつもりでもまだ大きく強く動かしている。 再びそれで慣れてしまっているので、やはり定期的に感覚をアップデートしないとならないと思う。 本当にごく小さく、軽く、触る。動かす。 でもそれが一番強い刺激であるというのは、一般的になかなか理解しがたいことだろう。 

「小さくすればする程、ゆっくりすればするほど、意識は高まりますからね。大事なことは意識と身体をつなげることです。だから術者の治したいという気持ちは、全く余計なことです。お節介以外の何者でもない。やるべきことをやるというのに徹すると結果は自然にでてきますからね」


強い刺激、回数の多い刺激は、実は弱い刺激というのも面白いと思うが、実際はその通りなのである。 

触診で注意されたのは、見る時の意識をぶらさないこと。 私はつい、皮膚や筋肉を同時に見ようとしてしまう癖がある。 1つを意識してみないと見立てがぶれるのである。 これも日々の訓練でトライ&エラーを繰り返して行きたい。 

「集中していたら、そのことしか気になりません。頭が良いと、これもこうかなぁ~。あれもこうだからこうじゃないのかなぁ~って考え始めます。だからアホにならなきゃはじまらないんです。そして術者もクライアントと一緒に気づけないと駄目なんです。一方通行じゃないのです。双方が上がらないと駄目なんですよね」


でも瞬時に皮膚!筋肉!と思考を入れ替えれば出来るのではないかと思っている。 最近は「アホになる」という言葉を前ほど言わなくなったが、その代わり治療の際の大事な意識付けの言葉をいただく。 

ペアで実技をした時にテープを貼る時に「おかしいですやん!」と言ったら上手く変化を出すことができた。 また「愛」の治療。愛を感じる。愛の力を使って治療することも効果的である。 

これはお笑いではなく、本気である。 実はこういうメンタリティで治療することが一番効果を上げるのだろうと感じる。

「やっぱりお節介のない愛ですよね。お節介は愛じゃない。迷惑なだけです」

 

何より術者が楽しくワクワクしながらやれるとリズムも取れて、成果を上げることができる。 真剣に集中してやるイメージだと、つい眉間にシワを寄せてジッと動かずにエネルギーを送る!

みたいなイメージになりがちだが、そうではない。 

「楽しく集中する。楽しいから集中できる。その余った分をクライアントと共有する。術者が面白くなければ、クライアントはもっと面白くないんですよね~」


フランクにやれるかどうか。 ある意味適当、適切、いい加減、いい塩梅、ほどほど、中庸、このような意味合いの心身の力加減とメンタリティで治療に当たれると次のステップを踏めると考える。 

治療は一生懸命になると過剰になりがちだが、いかにやり過ぎないか、いかにほどほどにするか、いかに少ない刺激で最大の効果を上げるか。 

そのことを意識しながら、また研鑽したいと思う。 

「まだまだ、捨てるものが一杯あるんですよ。捨てきれないものがあるから、ええ塩梅になれない人が多いのが、この業界です。私も臨床の中では一杯一杯捨ててきました。これからも一緒に研鑽していきましょうね」


毎回毎回、沢山の気づきと感覚の蓄積をいただく勉強会である。

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御薗治療院

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