私自身、学生時代に運動をしていて腰痛を起こし、それを克服して鍼灸をはじめたと言っても過言ではありません。だから運動への感心は、もの凄くあります。
その時のことを思い出すと、野球やサッカー、陸上等をやって怪我で悩んでいる子供達が良くなって怪我のない学生生活を送ってもらいたいなといつも思っています。
しかし、受動的な鍼灸治療だけでは、どれだけ頑張っても限界があります。
動きに無理があったから怪我をした訳です。
その動きを変えないかぎり、また必ず怪我をしてしまいます。これではイタチゴッコです。
動きに注意を向けさせる役目をするのは、子供達と直接かかわっているコーチでしょう。
しかし、コーチは、スポーツのことはわかっても、身体の仕組みをわかっているとは言えません。
未だに根性理論を振りかざすコーチもいます。
能力があり、素質のある子を指導して有名になっても何の意味もないのです。
能力のある子達しか教えてないコーチは、能力のない子を指導するつもりはなく、ある意味、ふるいにかけて、落としていくようなやり方を今でも普通にやっています。
もちろん、全てのコーチがと言っている訳ではありませんよ。
プロならそれで良いのかもわかりませんが、中学や高校で行うクラブ活動は、学生生活の一部として行う大切な授業の延長です。
身体を壊してまでやるものでは一切ありません。
そのことを理解しているコーチは、どれだけいるのかと疑問に思うこともあります。
意外にも有名な学校でも、そういう指導が日常的に行われています。
子供達の身体を見ていると、プレッシャーに負けそうになりつつ、必死でプレーしているのを肌で感じます。
このままじゃ絶対に学生生活を楽しく終えられない。
そう思える子供が身体を通して訴えてくる時があります。また、肉体には、その子のメンタルがあらわれます。メンタルと肉体は同調しているので、その子の精神状態が身体にはでます。
特に記録や勝ち負けにこだわった指導の仕方をされるとプレッシャーが半端ない。
少し考えればわかります。
風邪をひいて身体がしんどい時に、大人でも精神が穏やかでいられるでしょうか?
それと同様に精神が穏やかでない時に身体が正常になるはずがありません。
怪我や痛みは、そういう子供達の訴えです。
コーチは、子供達の身体の訴えに目を向けて欲しいなといつも思います。
今回の勉強会では、コンディショニングトレーナーの方も参加してもらいました。
次の日に治療を受けてもらって、治療の見学してもらいました。
「一生忘れられない経験でした」
とまで言ってくれました。
早速、次の日の指導に取り入れてもらって、成果を出してくれました。
有り難いことです。
なぜ、うまくいかないのか?
どうすればうまくいく身体作りをすることができるのか?
それができてこそ勝敗や記録にもこだわれるのです。
まずそれができてないのに、技術を教えても意味はありません。
鍼灸治療も全く同じことが言えるのです。
技術を教える前に、身体はなぜこういう反応を示すのかということをしっかり叩き込まなければ治療は無味なものになってしまいます。
それを重要と考えるコーチやトレーナーの方がもっともっと増えてくれればと思っています。
この理論とやり方が、その一助になってくれればと思っています。
その為にも、まず指導者自身が自分の身体に注意を向ける訓練をしないと駄目です。
指導するコツを自分自身の身体で理解して指導しないと伝わりません。
理屈じゃないのです。
0コメント