本当に説明は必要か?

腰が痛そうで、足を引きずって来院した方を診察する事になったら、どうしますか? 

痛みの原因を、説明しますか? 

どんな説明をするでしょうか? 

また、患者さんは、その説明を求めていますか? 


そんな疑問をもつ必要があります。 どんなに高尚な説明も、痛みを軽減出来なければ、絵に描いた餅です。 言い訳としかとられない。 

その問題を明確にする方法は、ありますか? 

まずは腰だけが原因だと思っていますか? 

もしそうでないとしたら、他の原因は何だと思いますか? 

もし他の原因があったとして、それをきちんと説明することはできますか? 

そして、その説明は、原因と関連付けていることを実証しながら説明できますか? 


どれだけ高尚な説明をしても、相手は素人です。もし、その相手が専門家であったとしても、原因を探ってほしいと思っている相手は、一時的には素人です。なぜなら、自分のことをわかっていないからです。

もし分かっているのなら、相談されるはずがありません。 問題は実証しながら説明することができるかどうかです。実証のない、説明は絵に描いた餅です。  


今回のコロナ騒ぎでは、それがよく分かりました。どれだけ説明をしても、世の中の雰囲気には勝てない。何が必要で何が必要でないかということが分かっていないから、雰囲気でマスクをし続けている人は、後を絶ちません。

相手に対して迷惑をかけないというという相手を思いやる気持ちからなのだと思いますが、誰もいない所で、密になることもないのにも関わらず、マスクしていることがおかしいとは感じていない。 

それで熱中症になったとしても分からない。 という方に、どれだけ説明をしても無駄だということがよく分かります。 


なぜなら、それは実証を伴わないからです。人は実感をして初めて行動を起こします。テレビ等の報道で有名人が亡くなったことの方が、ウィルス学の、どんな高尚な説明より、実感が高いのです。


これと全く同じで、今の足のしびれは腰が原因ではないよ。

といくら説明しても、その痛みを軽減できなければ、絵に描いた餅です。そんな人が続けて来てくれるはずがありません。しかし、痛みを軽減できて、この原因は、これが関係する可能性があるから、それを取り除く努力をしていきましょう。

という説明をすれば、慢性痛であったとしても来てくれる価値はあると思います。 逆に言えば、どれだけ不審に思って来院した患者さんも、その場で痛みを軽減できたら、何を言っても納得してしまいます。


私たちは学者ではないので、それが一番の説明になります。それができないのに、説明だけしても時間の無駄です。 時間をかけ、一生懸命やっている姿を見せることが大事だと思っているのなら別ですが、それは治療ではなく慰安です。感情に訴えるだけの施術と言わざるを得ません。でも、それはそれを求める人がいるのなら提供するのも仕事です。ただ、大事なのは、それを求める人に提供している技術なんだと術者が認識している必要があるということです。


常に、その説明は、相手にとって価値があるかどうかを問い続ける必要があります。 それをできるだけ心がけていますが、その症状の原因を探ることは至難の業です。

それにチャレンジし続けることが私たちの仕事です。きっと終わりはありません。 


そんな思いで仕事をし続けています。そうすると、以前に来院して結果がでなかった人が、何らかの理由で来院した時、唸らせるようになっていると技術が進歩したんだと思ってもらえるでしょう。 

とにかく言い訳をしても仕方がありませんので、それを目指すことが大事だと思っています。      


絵に描いた餅のような説明は、患者さんにとって邪魔だけでなく、迷惑であり、術者の自己満足だと思いながら仕事をすることは大事です。私自身も、それを自問自答しながら仕事をし続けています。




御薗治療院

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