昨日の症例の続きです。



慎重に結論を導き出したいということから、前日の症例をよく観察し、反省点を考察するのを日々やっています。

昨日の続きですが、左の咽頭から鼻腔にかけての血の流れの反応が、背中の痛みを起こしていたということでしたが、あの後よくよく観察してみると、左の蝶形骨の翼状突起の前側から蝶形骨稜や蝶形骨洞口あたりにも反応が出ていました。


このようなことができるのも動画を撮影させてもらっているからできることです。皆さんのご協力には本当に感謝しています。技術をよりよくする為には必要不可欠なことだと思ってます。


おそらく視神経にも影響が出ている可能性が高いと思いました。目の神経の問題があるとすると、咽頭の反応だけではない何らかの影響からくる痛みではないかと思います。  

当然それはトルコ鞍側にも異常が伝わっていき、下垂体や視床下部にも影響が出ていると考えられます。

視床下部の作用は、大まかには、体温調節、抗利尿ホルモン、血圧、心拍数、摂食行動、飲水行動、性行動、睡眠、子宮筋収縮、乳腺分泌などの本能行動と関係します。

また怒りや不安などの情動行動(大脳皮質・辺縁系皮質)の調節、自律神経系をコントロールする中枢の役割もあり、内分泌(下垂体ホルモンの調節)の中枢も担っています。


当然これらの症状にも影響が出る可能性もあります。もちろん、必ずという訳ではなく、これらの作用と関連する症状がでていたら、このあたりの異常を考え、調整するということも必要ということです。機能障害は、器質的障害とは違い、画像診断や血液検査ではわかりにくく、臨床症状と一致しないことも多々あります。これらの調整が一つのきっかけになって、症状改善の一助になればと思っています。


このような反応があることから一回目の調整の後に鼻の周囲に異常反応が出てきたことも理解できます。 そこで考えられるのは、二回調整して良いのか、一回で調整を終わらせて良いのかは、その時の状況によって違うかも分かりません。 ただ、この場合は、咽頭や鼻腔の調整をしてからでないと気づきにくい反応だったということです。


できるだけ一回の調整で症状を完全に改善させたいとは思いますが、このあたりの異常は複雑になっていることが多いので、仕方がないことかなとも思います。 しかし、背中の痛みが前頭部から側頭部のあたりの異常によって起こっている症状だったというのには間違いないと思います。 


いろいろ分析していくと新しい世界が広がってきます。このような分析を繰り返して、より複雑な症状に対応していきたいと思います。 技術を習えば効果を出せる訳ではありません。こういう地道な観察というのがとても重要です。

そして、身体の構造を理解する上でも、とても有益だと思います。ただ、あまりにも複雑になりすぎて、全体像を見失うことだけは絶対に避けたいなと思っています。 


専門的になればなるほど、効果は高いかもわかりませんが、見方が複雑にもなるし、追試できないこともあります。 それだけは避けなければなりません。 術者の独りよがりにならないようにしていく必要があります。


御薗治療院

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