昨日の例でもわかっていただいたように、バランスを考えた場合、症状にとらわれないでどちらの方が優位かを決めなければなりません。
ほとんどの場合、症状にとらわれてしまうので、正しい判断ができません。
全体に影響する部分と、一部に影響する部分があり、全体に影響する部位を選択するだけでなく、一部に影響する部分を選択する時も優位診断しないと駄目なわけです。
痛みのある場所や症状のある場所だけが問題だと考える人にとっては、どうしても理解できないことかもわかりません。
しかし、これを無視するとバランスという意味では決して正しい選択はできません。 それを知るためには何がどこに影響し、その影響がどこと関係し、どうなっている可能性があるかということを探る必要があります。 あくまでも可能性ですが、それが当たれば少ない刺激で一気に改善していきます。
これを探らずに、闇雲に刺激をするから訳が分からなくなり、強刺激(刺激だけ強くなる)になってしまう訳です。だから殆どの術者は、最初に何を治療して良いかがわからないと言う訳です。この質問は、多くの術者が抱えている問題です。
わからなくなった時は、基本どおりの方法でアプローチする訳ですが、あちこち考えてわからなくなってしまって、基本的なアプローチするのと、最初から何の考えもなしに基本をやるのは大きな違いがあります。
ひとつひとつ丁寧に順番を決め、調整していくことで、複雑になった症状も紐解けるようになるわけです。複雑なパズルを解いているような感じです。それを短時間で行わなければならないので、頭の中は常にパニック状態になり混沌とした状態になります。
その状態にならないと、本当の答えを導き出すことはできません。既存の知識で自分の都合のよいように考えてしまうと相手の体の状況を無視することになってしまいます。そういう危機感を誰しも術者は持っているはずです。もし、そんなことおかまいなしと思う人があれば、もっともっと自分に忠実に問い合わせた方がいい。どれだけ逃げようとしても、自分自身からは逃げられませんからね。
都合が良い考えというのは、無闇にパターン的な調整を行う方法です。この症状に対してはこれ、その症状に対してはそれ、みたいな考えないで行う治療は、一見楽に見えます。しかし、そうは問屋が卸しません。
だからこそ、どのような分析をするのかを、しっかり確認しなければならない訳です。分析方法を幾つも考え、その方法に慣れることで答えを導き出しやすくなります。
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