正月から疑問

東洋医学の考え方には気水血という考え方があります。西洋医学的には神経、リンパ、血管と類似すると思いますが同じとは考えにくいです。


科学的にも少しずつあきらかになってきていますが、血管の中を流れるメッセンジャー物質が臓器と臓器の伝達をしているというのは、正に「気」の世界観と同じに近いなと思います。しかし、同じではありません。 


臓器と臓器だけでなく、筋肉や骨、皮膚も間違いなく伝達しているので、古人達は、それを実際の目で見て感じたのだと思います。それが正しいかどうかは今後もっとあきらかになってくると思います。 やっと科学者の努力によって少しずつ解明できたことですが、古人達がやってきたように神経を研ぎ澄まし、見ようと思えば見えるものがあるはずです。


昔の人は、そうやって病能を把握してきたということです。私は、それが本当にあるかどうかを長年見続けてきました。 やっぱり、あるとは思うのですが、それが想像以上に複雑であり、決まり切ったものだとは思えない。 

というのが実感です。  

臓器と臓器の連絡も人によって繋がりが深い臓器と深くない臓器があります。例えば心臓と腎臓はお互いにメッセージの交換をしていると最近の科学では言われるようになってきています。しかし、そのやりとりを強く行っているかと問われれば、人によって違いがあり、そうだとは言い切れないと思っています。  


というか臨床的に異常を起こしていないと、その関係が明確にはならないし、それを調べることは必要のないことなので、流れがスムーズに行われていると問題になりません。全ての人には決定づけられないからわからないと言うことです。

ただ、東洋医学でも心腎不交という言葉があり心と腎は関係が深いとされています。あくまでも私達は、病能の状態を観察しているので、その構造が常にあるとかはわかりません。 また症状的には明らかに心と腎が関係するような症状であったとしても、必ずしも、それが異常を起こしているとは言い切れない場合があります。


これからもわかるように、ただ勉強しただけでは東洋医学がわからない理由があります。それは西洋医学でも全く同じだと思いますが、形に当てはめてしまうと見えないものがいっぱい出てくる訳です。 大まかな治療方針としては良いのかも分かりませんが、イレギュラーの人の場合は、それだけを狙おうとすると逆に副作用も大きくなる場合もあります。


西洋医学でも問題になっていると思いますが、症状や数値のみを見て、それらを下げれば良いという考えから薬物による腎障害なども、あきらかに増えた訳ですから、それは東洋医学においても全く同じ現象が知らないだけで起こっています。  


東洋医学も基礎研究を行うグループと、臨床を行うグループで分けた方が良いのかも分かりません 。確かに臓器と臓器は連絡をし合っていると思いますが、臨床的にはそれだけでは終わらない何かがあるということです。


へーそういうことなんや~というぐらいの感覚で見ていないと、臨床では嵌まってしまいます。だから結果を残すことは不可能だというのが私の見解です。 これも単なる私見なので、それだけで臨床が足りる。科学はそれを証明している。などという大雑把な考えの人から見たら批判されるかも分かりませんが、現実は、絶対にそんなに甘くないです。 


だから臨機応変に、物事を見ようとする見方が必要なのだと思います。 そんなふうにしていてもわからないものは分かりませんから、日々の修行が大事かなと考えています。  

御薗治療院

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