元気の低下部位

転倒して右手でついた後、肘から手首にかけての痛みを訴えていました。左手と膝をかばおうとした為に口から着地したらしく唇を歯で傷つけたみたいです。骨は折れてないものの右手を傷めたので服を着るのも不便だということだそうです。 


手首を触ってみると母指側に抵抗感を感じます。外転伸展の動きです。肘や肩の異常がある場合、手首の外転伸展は、よく制限をうける場所です。また、肘には僅かな伸展内転障害がみられます。これもセットで出てくることが多い動きの異常です。 


元気の低下現象は右の顔面部に強くでていて、それが筋肉の一部とも関係していました。それは下唇下制筋という下顎にある筋肉の一部です。間違えてはいけないのは、下唇下制筋の全体ではなく一部だと言うことです。よく筋力検査で筋肉全体の弱りみたいに言う人がいますが、パーツをひとまとめにわけて良い場合と悪い場合があります。


筋肉系としては、ここを中心として元気の低下が起こっていました。 唇を打ったので、当然のことと思うかもわかりませんが、そうとは限りません。なぜなら、この日は、表情筋には、多くの方が異常反応を起こしていたからです。


この方だけの問題ではありません。また、症状に関係なく、同様に顏の表情筋の異常反応が顕著でした。 表情筋が手首の痛みと関係するの?  

って思うかもわかりませんが、それを証明する為に下顎あたりに左手をかざしてもらうと右手首の動きが速攻で改善しましたし、手を離すと元の状態にすぐ戻ります。それだけではありません。下顎に手をかざすと、背中の緊張まで緩みます。しかし、面白いことに衛気の低下と条件設定して、顎に手をかざしても変化は少なく、「元気」の低下と意識した時だけ変化は顕著です。 


「気」を扱うには、純粋な思考が重要です。意識で変化するということを知らない術者にとっては、刺激したからと思う人も多いかもわかりませんが刺激しただけでは変化は起こりません。

研ぎ澄まされた純粋な意識が人の身体の状態を変化させます。単純に手を当てただけでは変化は起こらないということです。如何にも科学者が嫌いな現象ですね。


右の顔面部の気の低下が右手首や背中にも影響しているということもわかります。つまり、かなり大きい範囲で関係性を持っているということです。 西洋医学でいうメッセンジャー物質が、下顎の 下唇下制筋から起こっているということかもわかりません。しかし、このような現象は、西洋医学的にはわかっていないことであり、もちろん東洋医学の本にも書かれていません。そして、それを科学的に証明することは不可能です。不可能だからないとは言えないでしょう。 


筋肉の伝達だけでなく、内臓としては肺の一部にも影響している様子が伺えます。それが背中の緊張とも関係していたと思います。また小腸の一部にも影響があることから、胃腸の機能と手首の問題というのも関係するようにも思います。 痛みが出るのは小指側ですからね。


右手で左の肩を触ろうとすると、手首や肘が痛むことがあったのですが、調整後は、一瞬で、その症状もなくなりました。調整と言っても手の甲に一瞬刺しただけです。症状からも、このような関係性からも、元気の低下が全身に影響しているのは明らかな事実だと思うのですが、そんなことを発表したとしても、誰も認めてくれる人はいないでしょうね。(笑) 


もちろん、こちらも認めてもらおうと思ってやっている訳ではないですが、患者さんは、楽になったことを認めています。そういう現象があったということなので、目くじら立てないで、そういうこともあるのかと受け流してもらえれば幸いです。 


この日も、実費診療の鍼灸師としては、多い人数を調整していたので、モタモタしている暇なんてありません。次々と調整していかないと一日が終わらないので、後から見直して、こういうことだったとまとめることが、今後のささやかな自主研究となると思っています。人任せでもいけないので、そういう自主研究も書いていこうと思っています。 


御薗治療院

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