表情筋と腰痛

この前は下唇下制筋の話をしたので、顔面部の表情筋の話をしてみようかなと思います。


人間は様々な表情をして感情を表すわけですが、その感情を表すために必要なのが顔面の筋肉です。これらの筋肉があるおかげで、表情が豊かになり、感情を伝えることができるわけですが、腰痛が再発して痛みを起こしたために、再診した方の反応を診てみると面白いことがわかります。


営気の気の低下が 左の表情筋にありました。もちろん腰の痛みは左側に強く表れています。表情筋と腰痛にどのような関係があるのかと思われるかも分かりませんが、この方の腰痛の場合、腰には何の緊張もありません。 

元気の低下反応も顔面部から胸部にかけて存在していましたので、明らかに腰の問題ではなく、上半身の異常緊張から起こる腰痛であるのは間違いありません。 


営気の気の低下は、左側の小頬骨筋や口角挙筋に現れていました。これらの筋肉は口角を上げる時の筋肉です。つまり笑う時に使う筋肉なので、ストレス時には麻痺状態になるのではないかと考えられます。


これらのことから考えても、これは間違いなく作り笑いをしている可能性があるなと思いました。 

作り笑いをすることによって、腰痛が起こった可能性が高いということなのです。そして、その奥には、鼻根筋と言う眉をひそめる時に使う筋肉も異常を認めます。


感情としてはまるで反対の筋肉が異常を起こしているので、作り笑いをしているのは間違いないでしょう。 この筋肉の調整をすると、腰の痛みが一気に良くなりました。お辞儀をすると痛みがあったのが、完全ではないもののかなり軽減されたようです。 

痛いとどうしても眉をひそめてしまいますので、鼻根筋は緊張してもおかしくはないと思うのですが、その前の段階で、口角挙筋や小頬骨筋の異常が、自分の感情を押し殺して、表情を作っているから起こる現象だと思います。 


このような状態が長く続くと、肩や首の緊張はピークに達するのですが、自覚症状としての肩こりや首の緊張はありません。 それでも触ってみると、左側の方は緊張し、左肩は抜けて力がない状態になっているので、支える力もありません。 

表情筋は感情を表すために、働く筋肉ですが、その拮抗する感情を作る筋肉が同時に緊張しているということは、明らかにストレス性の腰痛であるということがよくわかります。 


腰に触れることもなく足にも触れることもなく、顔の表情筋の調整だけで、腰痛が良くなるわけですから、感情と腰痛は密接な関係があると言えると思います。 

たかが表情筋、されど表情筋です。

御薗治療院

身体と意識の不思議な現象を体験してください

0コメント

  • 1000 / 1000