全体の調整はさておき、部分の異常に焦点を合わせてみます。
部分の異常が起こっているのは、外傷を受けた瞬間ぐらいではないかと思います。しばらく時間が経過すれば、その外傷が他の部位に影響してきます。
全体はゼロです。
全体の総量が変化する訳ではありません。
このことを理解して身体を観察することが重要です。
身体を観察する時、何も基準がないところから観察することはできません。 まず、一つの基準を作ることが必要です。
基準を作っていない術者が必ず口にするのが、「何から手をつけて良いかがわかりません」
と言います。
見るという観察の場合も全く同じです。何の基準もないところから正常と異常を見つけることはできません。そもそも異常という定義も曖昧になっています。
例えば脊柱の線を基準にすると左に比べて右の方へ僅かにズレが生じていたとします。
一般的には、ズレているところに意識を向けると思いますが、全ては相対的なので、一部が突出していたら、どこかが凹んでいます。
なぜなら全体の総量には変化はないからです。 もし、この力の総量が変化しているとしたら、立てなくなるか、内部破壊しているはずだからです。外傷で大きく怪我をしたとか手術をしたという場合しか、その人のエネルギーの総量は一生変化しません。
この法則が身体の根底にあることを意識していないと何が異常でどこを調整して良いかを知ることはできません。
どこかが凹めば、どこかが凸になります。凸を実、凹を虚という言葉であらわすならば、それらは対になっていなくてはなりません。
もうひとつ大事なことは、どの範囲で?
というスコープです。
単独で虚とか実は存在しません。
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