全体の調整


全体の治療をしたから全てが治るわけではありません。 

局部の異常だと思っていても、全体の調整をすると、局部の痛みが減弱したり、消失したりすることがあります。


オスグッド病は小中学生男子に多い膝のオーバーユースによる成長期スポーツ障害の代表疾患ですが、肩関節の調整をすることで消失したり、減弱したりすることがあります。肩と膝って全く関係ないところに思えますが、肩が全身に影響を与える中心になっていたということです。

数週間治らなかった痛みが、その場で楽になったりする訳ですから、オーバーユースというだけでは説明はつきません。

もちろん、使い過ぎて局所の腫れが酷い場合には、その局所の腫れが治まらないと治るはずもありません。その見極めをするのにも全体に影響を与える部分という考え方が必要不可欠になります。

もちろん、これは真の意味での全体の治療ではありません。あくまでも部分が部分に影響を与えている状態です。全体の治療は上も下も前も後もない状態です。


異常反応をあらかじめ調べておき、全体の治療すると、その反応がなくなるかどうかを調べてみます。全体が影響しているなら異常部位は消失します。症状も改善されますが、治らない時や変化が少ない時は、その時点で治療をやめても続けても結果は同じです。 


例えば五十肩のような慢性的な炎症のある疾患の場合、どんなことをしても直ぐに楽にはなりません。五十肩と一口に言っても様々なパターンがあるので、一概に言えませんが、肩は様々な影響を受けて痛みがでてきますので、一筋縄ではいきません。一箇所が楽になっても痛みが移動したりします。


それより良くなる方向性を見つけ、地道に調整しつつ、自分でもケアしていくことが重要になってくる疾患です。局所の治療時期を誤ると、酷い目にあうこともありますので、肩そのものに刺激を与えすぎるのは禁忌です。どれだけ調整をし続けても動かないものは動かないのです。


例えば怪我をして局部が炎症を起こしているのに、それを一瞬で治してしまえるはずがありません。 2時間かけて治療をしても治るはずがありません。 大事なことはそれを見極めることであり、どのような展開になっていくのか予測することです。そして、何に注意をし、どうしていけば良くなる方向にいかせることができるのかを知らせ、確実に実行させることです。 


もちろん、それが外れることもありますが、そういう努力を積み重ねることで治せるものは治せるし、治せないものは治せないということを理解する訳です。 

御薗治療院

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