高いところでペンキを塗っていて片手で体を支えながら作業していたために起こった肩の痛みです。
所見としては手は上がります。
普通の五十肩とは違いますね。
上腕二頭筋の腱が炎症を起こしているのだと思いますが、MRIでも特徴的な所見は見られなかったと言う症例です。
よく観察していくと三角筋の前部に皮膚張力の強いところが1箇所あります。
後ろ側にはありません。
このことから部分的な腱鞘炎だろうと推察しました。
しかし、これくらいの異常では肩の問題が出るとは思えません。
もっと他の原因があるはずです。
関連系を見ていくと胸部から肋骨部に影響がでていました。
心臓血管系に問題があることが多いので、注意をしてみていきました。
よく話を聞いてみると緑内障が出ていて心臓血管系にも反応が出ているようです。
図のような場所の血管系に熱反応が出ているようです。
触診でもそれを確認することができました。
ちょうど圧痛が側頭部にまで入っています。
しかし、この血管系を最初から狙ったとしても動きを楽にならないと思います。
この症例は、肋間筋の異常で胸椎下部が左回回旋ないことによって起こる肩関節の可動域異常というのが正しいかもしれません。
短時間の刺激でも狙い目がキチンと当たっていると症状が変化します。
動かさなかったことによる可動域の制限はありますが、痛みはかなり楽になったようです。
肩の動きが良くなると血管系にも当然作用します。
脳血管障害の場合 に肩関節の痛みを訴える人が多いのは脳血管系と肩関節の関係から来るのではないかと私は思っています。
このような例の場合、目に反応がでてくることが多いです。
白内障の手術をして肩の痛みがなくなることもあるというのは、この関連系から起こるのだろうと思います。
動きが悪いところを意識的に動かし循環を良くすることで脳血管に対する異常も軽減されるのではないかと思います。
関節の動きは関節だけの問題ではありません。
常に内科的な問題と深く関わりを持っています。
この方の場合胸椎下部が左回旋をする時に身体全体を使ってしまうのが動画でもよくわかると思います。
癖のある動きを続けていると様々な障害が出てくることがあります。
単純に痛みだけのことなら重大なことだとは思いませんが、これが続くことによって血管系に障害が起こるとさまざまな病変に移行していくわけです。
痛みをとることは、そのような疾患に移行しにくい身体を作っていくもっとも重要な方法です。
胸椎下部の左回旋の動きを指示しましたので、やって頂ければきっと改善すると思います。
以前の動画でも紹介した腰痛の方が紹介してくださいました。
その方も付き添いできてもらいましたが、あれから調子が良くて全く痛みはなくなったそうです。
受付でしっかり身体を動かしていたようです。
立ったり座ったりもやっとの思いだったのに・・・。
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