骨折の後遺症などで筋肉が拘縮してしまうと第三者が伸ばそうとすると曲げる力が働き曲げようとすると伸ばす力が働いてしまう。
そんな反射が起こります。
筋肉の中にはどれぐらい伸ばされているのかを感知する機能とどれぐらい縮めているのかを感じる機能があります。
これを筋紡錘、腱紡錘(ゴルジ腱器官)と呼ばれています。
筋紡錘は筋の長さを測定し、腱紡錘は筋の張力を測定している。
と言われています。
ところがこの機能が過剰に働いている状態になります。
脳内出血の後遺症や骨折の後遺症によって関節の能力が失われ固定位になった状態が長く続いた場合に起こったりします。
高齢の方で骨折した後、動かさないでいるとこういう状態によくなります。
これは単純に筋肉や反射の問題だけでなく意識が大きく関係します。
骨折したことで気力が落ち必要以上に保護しすぎてしまう。
つまり気力がなくなってしまった状態で起こるのではないかと思います。
上腕骨骨折で肘を三角巾などで肩を保護していると肘を曲げたままの状態になります。
骨折した箇所は治っています。
しかし、手があがらない。
これは骨折が問題ではなく、肘が曲がったままの状態に固定してしまったことが一番の原因で肩が動かないと考えた方が良いように思います。
このような場合、肘を急激に伸ばそうとすると、この機能が過剰に働き縮めようとしてしまいます。
逆に伸ばそうとすると縮める働きが起こってしまう訳です。
運動的な問題ばかりではなく、気力が落ちてしまったことが一番の原因でしょう。
こういう人に無理やりリハビリをさせると逆に回復が遅れる場合があります。
というか治らなくなってしまうことがある訳です。
なぜならこの場合に必要なことは運動ではなく、気力を回復させることだからです。
これは特殊な状態のように思いますがが、若くて見た目は健康体に見えるような方でも部分的に同じような現象が起こります。
気力は治療においてとても重要な働きをします。
無理やり動かすことの弊害というのは様々なところにでてきます。
この現象は実は姿勢維持にも大きく関係する話なのです。
意識が姿勢を作るのです。
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