昨日は年明けて最初の診察日でした。
ちょっと専門的なことを書いてみたいと思いますので、適当にスルーして下さいね。
やはり年始は、生活が不規則になり、寝不足になったりして、体調不良を起こす人が一定数いますね。全体的に疲れがあるということなんだと思います。
あきらかに、ここが痛いという症状でない状態をどう改善するのか?
どう改善したと判断できるのか?
というのはちょっとしたテーマです。
治療より、何を治療すれば良いのかを明確にできる技術というのが必要です。
身体全体を素早く観察する技術というのは欠かせません。
背中をサッと触った時も、術者によってかなり情報量が違います。
例えば、背中の左側を背骨に沿って肩から腰に向かって撫でていったとしましょう。
しかも、上から下まで撫でるのに2秒以上かけない。
という条件です。
この触り方をすると、背中の状態がよくわかります。
胸椎7番あたりで背中が盛り上がっているような感覚を受けたとします。
この緊張は何から来ているのか?
胃の何らかの変調なのか?
それとも心臓か?肺か?
神経からか?
血管からか?
リンパからか?
筋肉?
それとも膜?
関節?
様々な問いが起こってくると思います。
それを確実に整理することが大事なのですが、盛り上がりだけを治そうとしても無駄です。
逆にそれは治さなくても良いことも多い。
背中が盛り上がっているということは、身体が回旋しにくい部分が胸椎7番あたりであるということです。
横隔膜の緊張や肋間筋の緊張が必ずあります。
横隔膜や肋間筋が緊張していると肩や肘、手首にも影響します。
筋肉が緊張しているから筋肉の問題?
そういう考え方は全く意味を持ちません。
筋肉の緊張は、必ず筋肉を緊張させなさいという命令があるから緊張しているのであって、筋肉の問題ではないことが多いのです。
だから筋膜をリリースするとか筋肉テクニックというのも本来は「?」
なのです。
鍼灸や手技の世界も流行りすたりがあって、この理論は最高だ!!
とかこれさえやっていれば間違いない!!
みたいに考える人があります。
あまりにも幼稚な考えです。
人間の身体は様々なことから部分に影響がでています。
それを問題が一つにして何か意味あるの?
っていつも思います。
何からの変調でそうなっているのか?
という疑問すら起こらない術者は問題が多いにあります。
もちろん、筋肉からの影響がないとも言ってません。
問題を一つに考えること程愚かなことはないと言っている訳です。
原因を一つにして、読んでいる人を混乱させるのは、大きな問題です。
しかし、時には原因があきらかにこれだ。
ということがあります。
それは本人の身体の動きが大きく変化し、感覚的にも変化した時です。しかし、それは再現性がありません。
何故なら、その人のその状況によって原因らしきものは、これだったと言えるだけだからです。
次の人が同じような症状であったとしても、同じことになっているとは限りません。
同じ人が次の日に来ても同じことをすれば良くなるというものではありません。
まさに治療とは「一期一会」なのです。
その時にしか適応しません。
そんなこと当たり前の話しなのに、二元論的に原因はこれだ!!
逆に、これは原因ではない!!
などと決めつけること自体が科学的ではありません。
だから似非と言われる訳です。
でもよく考えてみて下さい。
風邪ひいて医者にかかると、同じような抗生物質を出されたりしません?
前回と同じやん!!
でも痰が切れないと言ったから痰切り剤が増えているだけ?
というようなことってありませんか?
これは科学的な治療なのでしょうか?
もっともっとよく考えて欲しいなと思います。一般の人にもそれはできると思います。
選択枝は沢山あるはずなのに選択枝はあまりない。
と思わざるをえない。
まぁそれだけ医師も考える間もなく程忙しいんだと思います。
科学的だと思っていることも実は、全然科学的でない。
という事は沢山あります。
そのあたりをよ~く観察し、原因を決めつけないことはとても大事なことだと思います。
だから、一例、一例に対して、この場合は、こういう方法でうまくいったが、参考にして貰えればという立場が大事なんだと思います。
なんでもかんでも、これは駄目、これは良い。
という禁止をすれば良いという訳ではありません。
これは医療の衰退になり、情報の縮小化にむかいます。
なんかこういうことを考える人って、コンプライアンス(法令遵守)の虜になっているように思えてなりません。
常識的な取り締まりをしてもらいたいなと思います。そうでないとあまりにもアホらしい結果にしかなりません。コンプライアンス自体がコンプライアンスを維持出来なくなり、何が正しく何が間違っているのかを決められなくなる。
そんな日が来るのも、そう遠くはない。
と思います。
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