胃と腰

腰の痛みで歩行もしづらそうにしていても、キチンと調整すると歩行も楽になって帰ってもらえます。そのカギになっているのが胃の調子ということもあります。必ずではないのですが、最近よく見かけます。


坐位で観察すると腰はパンパンで、腰痛ですから当然動きも悪いです。特に腰痛5番(ベルトのライン)の腰椎の左側から右前方向に動かすと痛みが強く動きも悪いという状態です。

このような症状のある人の場合、多くは左の腰痛になります。椅子に座った時も、左のお尻を椅子に押しつけるように座る癖があります。腰椎の右側から左前に動かしても動きは悪くありません。

右側と左側では動きと痛みが違います。腰椎5番の伸展側屈という状態です。


左側で動きが悪い場合、胃の調子と関係があることは多いようです。

腰痛は、腰周囲をよく観察すると、下腹部、大腿筋膜張筋、中臀筋、外側広筋、腸脛靭帯等々の外側から前外側部に緊張が観察されます。

あとは、半腱様筋、半膜様筋の一部から腓腹筋の一部(内側優位と外側優位がある)もよく観察されます。そのあたりは、治療ポイントとして多くの治療家が好んで使うことは多いと思います。


しかし、上腹部や肋骨部を目標にする人は少ないように思いますが、横隔膜周囲の緊張を緩めると腹部、腰部から足までの反応がなくなり、腰痛が軽減されることも多いのです。

胃腸の機能と関係あるように思います。もちろん、心臓や肺の機能とも関係があるでしょう。

横隔膜周囲の臓器は胃だけではなく、肝臓や心臓、肺、膵臓も含まれます。


横隔膜を触診する時もコツがあります。季肋部をどの方向に指を当てると緊張するかを探りながら行うと、その詳細がよくわかります。


また立位と仰臥位では触れる範囲に違いがありますが、立位と坐位を組み合わせれば、重力下での横隔膜周囲の機能を推測することができます。仰臥位で触診すると、どうしても内臓がベットの方向に重力がかかるので詳細を見誤ってしまうことも多いので、腹部の触診はできるだけ立位と坐位を組み合わせる方が効率的だと私は考えています。


もちろん、治療はお腹に刺激するのではありません。

手足の一部に少しの刺激を与えると、これらは緩みます。

当然360度の方向で観察します。左右上下の方向だけでなく、前後が加わって診察することで動きや圧痛の状態を観察します。



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