まず、身体を観察してみます。
肩の位置を観察してみます。
よく言われるどちらの肩があがっているか?
左右の肩の高さが違うというやつですね。
例えば左肩が高くなっていたらどういう意味があるのでしょうか?
色々考えられます。筋肉で言えば左の後頚部や側頸部の筋肉の収縮、僧帽筋上部の収縮、肩甲骨のそばにある筋肉等の収縮が一般的には考えられます。 しかし、これらの筋肉だけで肩があがるはずがありません。それだけの筋肉で肩を上げたらあまりにも不自然です。
例えば、肩はあげないで、腰を右へ倒したら自然に肩は左にあがります。右足へ体重をかければ、自然に左肩はあがるでしょう。
左肩を上げながら、真っ直ぐ右足で立つのって難しくないですか??
身体を倒してなら右足に体重をかけられますが、身体を真っ直ぐして右足で立って左肩を上げるのは困難です。
右股関節や臀部のところにもの凄く負荷がかかりますよね。普通はそういう立ち方をしません。つまり左肩があがるということは左足に重心が乗る立ち方を自然には選びます。
意識というのは楽な方へ楽な方へ流れますから、できるだけ楽になろうとします。
その結果肩が上がってしまうということになった訳です。
左肩をあげながら右足で踏ん張ると右手に違和感を感じませんか?
右手の母指側に違和感を感じながら立つと楽に立てます。
身体は何とか重力に抵抗しようとして、片足で立つということを目標にしています。 つまり歩行ができるように身体は自然に協調運動するようにできているということです。
それでは何故歩行に焦点を合わせるのでしょうか?
それは歩行ができないと生きていけないからです。
古代なら歩行ができない=死です。
移動が最優先にプログラムされているのが動物です。
これが、症状の出ているところとは関係のないところに鍼を打つ理由にもなります。 しかし、本当にそれだけで問題が解決するでしょうか?
実は全く解決しないのです。肉体レベルの異常の場合は、それで問題が解決します。しかし、全ての現象は肉体レベルだけで問題が解決する訳ではありません。
肉体レベルの問題が色濃いうちは、これである程度問題が解決します。 しかし、様々な痛みや症状の問題は肉体レベルの話だけではないので、問題が解決しないということの方が多いということになる訳です。
肩をあげて立っているということを考えただけでも様々な問題が想像されます。
その想像に合わせて動きや圧痛を観察します。
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